第487夜:子持ちえじこ(笹森淳一)
国恵は、こけしそのものは勿論好きであるが、木地細工物にも心が惹かれる。中でも、容器型のえじこの中に小さな子こけしを沢山入れた子持ちえじこは大の好みであり、機会があればコレクションに加えている。子持ちえじこは作るのに相応の木地技術が必要であることから誰でも作るという訳ではなく工人も限られる。笹森淳一さんは子持ちえじこの名人であり、国恵志堂のコレクションの中にも幸兵衛型と伊太郎型のものが入っている。「地梨(第43号)」(地梨の会発行)には笹森さんの30本の子こけし(本人型)が入った子持ちえじこが載っており、垂涎の的であった。先般、ヤフオクに同様の本人型子こけしが12本入った子持ちえじこが出品された。地梨の子持ちえじこのミニ版とでも言えるもので思わず手が出てしまった。今夜は、その子持ちえじこを紹介したい。口絵写真はそのえじこの表情である。
こちらが子持ちえじこの全体像である。径10.5cm、高さ12.5cm、平成10年9月の作である。えじこ容器の蓋に付いた取っ手替わりの頭は回るように作られており、えじこの胴には牡丹絵が、えじこの内側の底にはダルマ絵が描かれている。えじこの中には12本の各種子こけしが立てた状態できっちりと収まるようになっている。このように作るのは結構面倒なことであり几帳面な笹森さんの腕の見せ所でもある。
えじこの中に入っている子こけし(2寸3分前後)を親こけしの前に並べてみた。帽子あり傘あり髷あり、胴の形も様々、模様もダルマ絵、牡丹絵のほか、ロクロ線や花模様など各種。1本1本が全部違っていて、見応えのある実に楽しいセットになっている。
改めて子こけし12本を並べてみた。それぞれの子こけしをじっくりご覧いただきたい。
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