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2020年12月

第497夜:健三郎のこけし

Kensaburo_s15_kao ここ横浜では、コロナ禍の現実が嘘のように穏やかで暖かい大晦日を迎えた。しかし、東京では新規感染者数がついに千人を超えてしまった。本ブログも404夜で今年のスタートを切ったのであるが500夜には3夜足らずに今年を終えることになってしまった。さて、今年の最後は小寸ながら存在感のある大沼健三郎にご登場を頂こう。健三郎のこけし製作歴は長く、戦前から戦後の50年代まで多くのこけしを残している。国恵が収集を始めた40年代後半から50年代にかけては、第2次こけしブームの人気工人として、そのこけしの入手は簡単ではなかった。その健三郎のこけしと言えば、やはり戦前作、それも復活初期の昭和12,3年代のものに最も心を惹かれる。「こけしの世界」掲載の久松蔵品や「木の花」掲載の中屋蔵品は垂涎の的である。しかし、その手のものは市場には出て来ず、戦前ものでよく目にするのは15年以降のものである。15年のものはかなり出回っているが作風にはかなり幅があるようで、時期の早いものほど初期の作風が残っているようだ。先日ヤフオクに出た健三郎も15年頃のものと思われるが、木地形態・描彩の古風さに惹かれて入手した。口絵写真はその表情である。

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第496夜:面長の優しい忠こけし

Cyu_s15_kao正月まであと2日、東京での新型コロナ新規感染者数は900台半ばとなっている。年末年始は検査数も減るので1000の大台突破は来年になってからか…。さて、年末の鳴子古品シリーズの三日目。今夜は秋山忠のこけしを取り上げる。忠のこけしというと第491夜でも紹介したように角のある眉と三角形の下目が特徴的な鋭角的な表情のこけしが頭に浮かぶ。そんな中にあって、国恵志堂には頭が縦長で目の位置も高く明るく優しい表情の忠こけしがあった。そのこけしは偶々出来たものかと思っていたが、それに類するこけしをヤフオクで入手したので紹介したい。口絵写真はその表情である。

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第495夜:斉司の初期作(戦前)

Seishi_s15_kao 昨夜は桜井昭二の戦前作を紹介したが、今夜は同じ鳴子系の岡崎斉司の初期作である。斉司は大正15年生まれなので昭和ではないが、昭二と同世代と言っても良いだろう。斉司は昭和15年、高等小学校を卒業してから父斎について木地修業を始めるが、描彩は小学校の時から始めていたと言う。従って、木地挽きに慣れれば、こけしを作ること自体はそれほど難しくはなかったのであろう。深澤要が昭和16年に鳴子を訪れた際には、その作品が斎のこけしと一緒に店の棚に並んでいたと「こけし追及」には書かれている。本作は、胴底の張り紙で久松旧蔵、昭和15年との記載がある。口絵写真はその表情である。

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第494夜:昭二の初期作(戦前)

Syo2_s15_kao 2020年も最後の週を迎えた。東京では、新型コロナの新規感染者が千人超え目前に迫っている。しかし、毎日のように新規感染者数が過去最高を記録しているとマンネリ化してくるのも否定できない。我々高齢者は、リスクを避けて家に籠り、家族以外とは殆ど会わないでいるのが一番の対策であろう。12月に入ってから、ヤフオクでは鳴子の古品が時々出てきており、それを丹念に集めてきたの、今年最後の紹介としたい。今夜は、鳴子系の桜井昭二である。昭二は名前の通り昭和2年の生れ。昭和生まれの工人で戦前のこけしが残っている稀有な工人でもある。その後の髙橋正吾、遊佐福寿、大沼秀雄の世代となると戦前作は作られていない。口絵写真はその戦前作の表情である。

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第493夜:精助のこけし(ペッケ)

Sesuke_s15_kao_20201218182701 東京のコロナ感染者が800人を超え、益々増加の傾向を示す中、空からは一気に大量の雪が落ちてきて、関越道では1000台を超える車が雪の中に閉じ込められてしまった。正月まで残り2週間を切ったが、厳しい状況が続く中で年越しを迎えそうである。さて、昨夜に続いて精助こけしの紹介である。こちらは半年ほど前に入手した小寸のペッケ型である。精助のペッケについては第118夜で昭和14年作を紹介しており今夜のペッケで2本目となるが、前回作と比較しながら紹介しようと思う。口絵写真はその表情である。

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第492夜:精助の大寸こけし

Sesuke_s14_syaku_kao 師走も中日を過ぎ、お正月まであと2週間余りとなったが、コロナ感染は依然増加傾向を続け、年末年始2週間のGotoトラベルも一時中止が決まった。今年1年のこけし界を振り返えると、やはりコロナ禍に振り回された1年であったと言えるだろう。こけしのイベントは若い愛好家を中心に多くの人が集まって「密」を作る場となることが避けられず、主要なイベントは軒並み中止となってしまった。友の会の例会も3月から12月まで中止が続いており、10月からは「オンライン例会」が開かれている。来年1月の新年例会は開催の方向で、色々な対策を検討しているが、どうなるであろうか…。さて、弥治郎系の髙橋精助のこけしは、その辛口の佇まいが気に入っており、入手の機会を伺っていた。しかし精助のこけしは昭和14~16年の復活時のこけしが小寸のペッケを中心に少知られているだけで、市場に出てくることもあまり無い。その精助の大寸こけしが先週ヤフオクに出品され、日曜日に締め切りを迎えた。程よく古色が付いているが退色は見られず状態の良いこけしであったが、最低価が高かったためか応札者が現れず、無競争で入手することが出来た。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は、その精助こけしの表情である。

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第491夜:忠こけしの新種発見!

Cyu_iwazo_kao 昨夜、コロナ感染拡大で大阪の通天閣と太陽の塔が赤く染まった! 全国の新規感染者数が2000人を超える状況の中、大阪は特に重症感染者の数が深刻なのだろう。師走に入ってからの自粛要請は多くの人にとってその影響は計り知れなく苦渋の選択なのであろう。そんな中、高齢者の国恵はひたすらヤフオクを眺める日々が続く…。先日のヤフオクに鳴子の秋山忠のこけしが出ていた。顔は完全に忠なのだが、胴が太く、そこに描かれている模様は初めてみるもの。忠好きの国恵には見逃せないこけしであった。その忠こけしが早くも届いたので紹介したい。口絵写真は、その表情である。

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第490夜:底書きの意味するもの

Fukujyu_s37_futuu_kao ここ暫く新しいこけしの入手も無く本ブログの更新が滞っている内に新型コロナの感染は急激に増加し、今後に大きな不安を抱えながら11月が終わり師走を迎えてしまった。先行きの見通せない暗い話題から逃避するためにも、こけしの話を続けて行こう。こけしはそれ自体を鑑賞するのが基本であるが、こけしの底には、作者(工人)や入手者によって様々な文言が書かれていることも多く、その情報が大いに役に立つのである。戦後は胴底に工人が署名をすることは当たり前となり、それ以外に「型名」や「日付」などを入れてくれることもある。特に実演などで工人が会場に来ている場合には、希望すればその場で「場所」や「日付」などを書き込んでくれることはよくあることである。こけし自体はその後、別の収集家に渡っていくこともあり、そのような場合にその底書きが大いに役に立つ。

今夜はそんな例を挙げてみたい。先日のヤフオクに遊佐福寿さんの昭和30年代のこけしが出ていた。その福寿こけしは2本(普通型と勘治型)あったが、締め切りは別の日になっていた。福寿こけしは国恵の最大の蒐集アイテムであり、所蔵していない時期のものであれば入手を検討する。しかも今回の作には底書きがあって、入手場所と日付が書いてあったのである。その底書きから、この2本が同じ日同じ会場で販売されたことが分かり、そうなるとこの2本がどうしても欲しくなってしまった。入札には同様の思い(?)の強敵が現れて2本とも激しい競り合いとなり、何とか入手できたものの結構な額になってしまった。口絵写真は、そうして入手した福寿普通型の表情である。

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