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第500夜:福寿の新伝統こけし

Fukujyu_ndento_hyotoko_kao コロナ禍が日本中に蔓延している中、年が明けて半月、本ブログも道半ばの500夜を迎えた。新年早々、福寿さんの華やかでお目出度い新伝統こけしがヤフオクに出品されていたので迷わず応札した。新伝統の出品は3件で、1件は新伝統が3点、他の2件は1点ずつであった。その内の2件(計4点)を入手することが出来たので紹介したい。新伝統3点の出品に対しては、大間の鮪を思わせる苛烈な争いになり、相当なご祝儀相場となってしまった。新伝統が盛んだった平成の初めの頃、国恵は年に一度は福寿さんを訪ね、山の工房に連れて行って貰った。そこには従来の伝統こけしの他に、新伝統という位置づけのこけしが各種並んでいた。この新伝統こけしはかなり手の込んだものであって価格も高めであったこともあり、一介のサラリーマンでは簡単に買えるものではなかった。福寿ファンとしてそういった作品達を今になって手に取れることは何とも有難いことであり感慨深い。なお、新伝統こけしの詳細に関しては、福寿物語に掲載していくので、そちらを見て頂きたい。口絵写真は、新伝統のひょっとこの頭である。

Fukujyu_ndento_4hon

こちらが、今回入手の新伝統こけし4点である。左から

(1)8寸、平成8年12月。木地形態・描彩とも伝統的な色彩が強い。ソニー頒布のこけしを作る過程で作られたものの一つである。
(2)7寸8分、平成6年12月。第3回新しい伝統こけし展(平成6年6月)に出品したものと同手。頭のひょっとこを立体的に削り出して作った手の込んだ作品。
(3)9寸、平成6年7月。第3回新しい伝統こけし展(平成6年6月)に出品したものと同手。胴上下に格子状の鉋溝を配し、中央部にひょっとこを描いている。縦の鉋溝はどのようにして削ったのであろうか…。
(4)8寸7分、平成5年7月。肩部と裾部に引かれた太い赤ロクロ線の中に桜の花(?)のようなものが描かれており、また頭部の赤い水引の中にも丸い飾りが描かれているが、いずれも上から塗ったのでは無く木地の色を残しているように見えるが…。

Fukujyu_ndento_4hon_yoko

こちらは、横から写したものである。このジャンルに含まれるこけしは木地形態、描彩とも多種多様であり、福寿こけしが一斉に花開いた感がある。

なお、各こけしの詳細は、今後「福寿物語」の方で述べていく予定なので、参照願いたい。

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コメント

 いつも楽しく読ませていただいております。わけのわからない胴模様と顔が伝統と言えるこけしでしようか
明治生まれの盛。斉。健三郎らから受け継がれたものが本当の伝統こけしではないですか。先日、遠刈田の英太郎も似たような物がヤフオクの出品されておりました。千夜一夜物語のフアンといたしまして本当の意味の伝統こけしのよさと収集の楽しさを伝えて頂けたら嬉しい限りです。これからも応援しております。

ター坊さま
コメントありがとうございます。
盛・斉・健三郎等から受け継がれたこけしが本当の伝統こけしというご指摘はその通りで、私もそう思っています。福寿が新伝統を作っていた頃、私も変なこけしだなぁと思って買っていませんでした。しかし、今になって、それらの新伝統こけしを手元でじっくり見てみると、そこには伝統に裏付けされた木地技術・描彩力が垣間見られるのです。昨今、巷に氾濫している今風のこけしに比べて、遥かに「伝統的」なこけしです。私は福寿ファンなので、福寿の作品は何でも集めています。中には仰るような類のものもあることは否めません。そこはファンの贔屓目なのでしょう。機会があれば福寿の新伝統こけしを直に見て頂けたらと思います。

中間地点、峠到達おめでとうございます㊗️
お正月🎍出費したようですね。

鳴子系からスタートした私のこけし蒐集
1971年、丁度半世紀前です。
高1の修学旅行旅行で、松島、鳴子、花巻

こんな話をゆっくりしたいですね。
寫眞集、楽しみにしております。

江口芳夫さま
コメントありがとうございます。
私も、鳴子から始めて50年を超えましたね!
長い間には力を入れた時期もあれば、やや気持ちが薄らいだこともありましたが、ここまで続けてこられたのは、やはりこけしの魅力なのだと思います。コロナが収束して、また直に色々とお話が出来るのを心待ちにしています。

四番目のこけしの花模様や水玉模様に木地の色を残してあるのは、たぶんマスキングインクだと思います。最初マスキングインクで花模様や水玉模様をかいたうえから彩色し、その後、マスキングインクの部分を擦り落とすと、白抜きできるのです。水彩画での技法のひとつです。

あき 様
コメントありがとうございます。
なるほど、そういう技法があるのですか。
良い勉強になりました。
疑問が解消してスッキリしました。
ありがとうございました。

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