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第503夜:大頭のこけし(倉吉)

Kurakiti_s18_kao 暫くぶりの更新である。2月に入ってコロナの新規感染者は減少傾向になっているが、まだまだ安心できる状態には程遠い。今は、東京五輪組織委員会の森会長の進退問題が炎上している。さて、こけしは丸い頭と円筒形の胴を繋げた形が基本であるが、その両者の形・大きさにはかなりの幅があるようだ。そんな中で、頭を極端なまでに大きくしたこけしが戦前から時々見られる。山形系の小林一家のこけしもその一つであり、特に倉吉のこけしは大頭で有名である。倉吉のこけしも大正期のものは均整のとれた形であり、昭和5年頃をピークに大頭のものがあり、それらは倉吉こけしの中でも総じて高評価であるようだ。先日、ヤフオクに倉吉の大頭が出たので手を出してしまった。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は、その大頭こけしの表情である。

Kurakiti_s18_2men

こちらが、その大頭こけしである。大きさは8寸6分で、その内の1/3以上の3寸が頭の部分である。胴底には、「昭和18年 73才」「木翁作」の署名がある。倉吉の大頭は昭和5年頃の「しばたはじめ頒布」等に作例があるが、頭は角ばった大頭で額が広く、眉目は顔の中央より下に描かれている。一方、本作では頭は楕円形で丸みがあり眉目の位置もやや上がっている。この時期(昭和10年代後半)の一般的な倉吉こけしの頭は特に大きいと言う訳でもないので、本作は昔を思い出して特別に作ったものかも知れない。

Kurakiti_s18_hikaku

清蔵のこけし(右、8寸2分)と並べてみた。胴は左の本作の方がやや小さめであり、本作の頭の大きさがよく分かると思う。

Kurakiti_s18_ushiro_hikaku

後頭部のツン毛も比べてみた。本作(倉吉)では、前髪・鬢・ツン毛とも平筆で描かれ固い感じがする。

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