第518夜:豆こけしの玉手箱(4)
今日で71回目の3月26日を迎えた。昨年は、こけし手帖の校正作業で神田まで出かけ、ついでに靖国神社と千鳥ヶ淵で花見を楽しんだが(第425夜)、それが最後で以降まさかのコロナ禍による自粛生活に入ってしまった。本ブログも、この1年での更新は93夜で100夜には届かなかったということになる。さて、昨夜の話の続きである。「木の花」の解説によれば、袖珍こけしには80工人の組み物の他に、番外品や模様変りも紹介されている。今回、ヤフオク入手の豆こけしにもそれらに類するものやはっきりしないものも含まれていた。今夜は、それらの豆こけしを紹介しようと思う。口絵写真は小関幸雄の袖珍模様替わりこけしである。
こちらが、それらの豆こけし6本である。左から紹介しよう。
左から2本は小関幸雄作。小関の標準品は括れの無いペッケ型で胴には襟と裾が描かれたものである。「木の花」にはその模様変りとして胴中が括れて帯が入った作が紹介されており、上写真の左端がそれである。2番目は「木の花」では紹介されていないが、これも模様替わりの一つであろう。同一工人の袖珍こけしでも、工人によっては色々なものが作られていたことが推測される。左から3番目は鎌田文市の作。文市作も数種類あるようで「木の花」と「古品こけし名品録」では異なる形・描彩のものが載っている。本作はそれらとも異なっており、赤一色のロクロ模様が斬新でもある。左から4本目と5本目は遠刈田系のもの。頭が黒頭になっており、そのような作例は「木の花」「名品録」にも載っていないので、大きさは袖珍サイズであるが、袖珍こけしではないのかも知れない。右端は胴底には「川連」とだけ書かれている。形態から連想すると、小椋嘉市の模様変りのようにも思われるが…。
横から見たところと胴底である。
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71歳のお誕生日、おめでとうございます!
小関幸雄の豆こけし、良いですねえ。
この1年も千夜一夜を楽しみにしています。
投稿: ブーちゃん | 2021年3月26日 (金) 11時40分
ブーちゃん 様
ありがとうございます。
コロナ禍の中、1夜話ずつ地道に更新してまいります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
投稿: 国恵 | 2021年3月26日 (金) 13時05分
不明遠刈田、菊吉之助·他は圓吉かと···。
投稿: しょ | 2021年4月11日 (日) 09時36分
しょ 様
いつも、ありがとうございます。
遠刈田の豆になると、特徴がはっきりしなくて誰の作かは難しいですね。
投稿: 国恵 | 2021年4月12日 (月) 12時02分