第510夜:秋山耕作のこけし
コロナの緊急事態宣言が続く中、東京では桜の開花宣言があった。今年も例年に比べて10日以上も早い宣言とのことである。暖かくなって桜が咲けば、どうしても外に出て行きたくなる。コロナの収束には有難くない状況でもある。さて、鳴子の秋山忠や慶一郎の長兄である秋山耕作のこけしは見かけることが少ないこけしのひとつである。耕作は木地は挽いたものの描彩は行わず描彩は妻とらよが行っており、耕作名義のこけしも耕作・とらよの合作こけしということである。その製作時期も昭和14年~16年頃までの3年程である。今夜紹介する耕作こけしは先日ヤフオクに出品されたもの。ぽっぽ堂旧蔵品である。kokeshi wikiに写真掲載されている西田記念館蔵品と同手である。胴の緑もよく残っており、現存する耕作こけしの中でも最右翼のものであろう。口絵写真は、その表情である。
こちらが、そのこけしである。大きさは8寸3分、胴底に「鳴子 秋山耕作 昭16.8.6求む」との書き込みがある。シンプルな木地形態に胴模様は横菊と正面菊を描いているが、その筆法は簡素で手慣れた感じはしない。面描も同様に素朴であり、眼点を大きく塗り潰しているため黒目のように見える。本作では鼻と口が向かって左側に寄っているため「ひょっとこ」のような顔つきに見えて面白い。鬢は筆を揃えて描いており、鬢飾りは独特の星型、赤い水引は先が6つに分かれた葉っぱのようである。前髪と後ろ髪の付け根には墨2筆で輪っかのようなものを描いており、このような様式は他に見かけない。女性の描彩を感じさせる部分でもある。
頭頂部(左)と胴底の書き込みである。
息子の耕一郎戦前作(左、17年作)と並べてみた。「こけし辞典」に掲載されている耕作こけしは、とらよ描彩となっているが、本稿左の耕一郎作と酷似しており、疑問が残る。
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