第536夜:福寿の変形エジコ(五輪開幕!)
直前になって、オープニングの楽曲担当や演出担当者が辞任や解任されるという異常事態の中、ついに東京五輪が開幕を迎えた。東京ほか関東3県を中心に第5波と思われる新型コロナ感染者の急増の中での開幕に、その中での五輪開催がどのように進んでいくのかが懸念される。一方で競技が始まれば日本の選手を中心に応援したい気持ちは高まり、何とか無事に全競技が終わることを祈らずにはいられない。さて、先日のヤフオクに福寿さんのエジコが高亀の野菜籠とセットで出品されていた。福寿さんのエジコはかなりの数を保有しているが、今回の物は形がかなり変わっているように見えたので入札に参加した。今夜はそのエジコを紹介しよう。口絵写真はその表情である。
こちらが、そのエジコの全体像である。頭部は勘治型の描彩が施されており、上を向いた表情は生意気顔でなかなか良い。大きさは、径12cm、高さ12cmである。ヤフオクの出品写真を見た時には、上部は取り外しの出来る蓋になっていると思っていたが、実際に見てみると胴部と一体になっていることが分かった。
正面と横から見てみよう。横から見るとエジコの胸から上の上部はエジコの中心ではなく後方に付いていることが分かる。しかも背部はややせり上がっている。ロクロを普通に回して木材を削っただけではこのような形を作ることは出来ないであろう。福寿さんは「新しい伝統こけし展」に出品するこけしを作る中で、傘を斜めに付けたり、鼻を出っ張らせたり、おかめ・ひょっとこで顔に凹凸を付けたりと、色々な技法に挑戦してきた。本エジコの形態もそんな製作過程の中で考えられたのであろう。息子の寿彦さんが「親父の手は傷だらけだった」と言っていたのが思い出される。
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