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第550夜:力さんの大正期誓型

Tikara_sei_taisyo_kao TVのワイドショーで新型コロナを取り上げる件数がめっきり減って来た。コロナの新規感染者が激減したのが理由であり、それはそれで喜ばしいことである。海外では、また感染者が増える傾向が見られ、日本はそうならないように気を引き締めなければならない。さて、鳴子の大沼力さんは本人型と誓型の2種類のこけしを作っていたことはよく知られているが、その内の誓型は黄胴に赤い正面菊を3つ三角形状に配したものが主体で、これは西田コレクションの誓こけしをお手本にしたものである。先月末、ヤフオクに見慣れない重ね菊模様の力こけしが出品されていた。力さんのこけしとしては初めて見る型で、それは誓の大正期のこけしを写したものと思われた。結局、このこけし(本人型との2本組)は誰にも注目されず、出品価の1100円で落札することが出来た。今夜は、そのこけしを改めて紹介しよう。口絵写真は、そのこけしの表情である。

Tikara_sei_taisyo_2men

こちらが、そのこけしである。大きさは8寸1分。胴上部に深い鉋溝が1本入っている。胴模様は、他の力こけしには見られない2段の重ね菊。面描はあまり特徴はないが、口は赤1点の誓型である。

Tikara_sei_taisyo_hikaku

大正期の誓こけし(右)と並べてみた。胴上部の鉋溝、肩の山のロクロ線の配置、胴の重ね菊模様など、力さんのこけしが大正期の誓こけしを写したものであることが分かる。

Tikara_sei_taisyo_atama_hikaku

また、頭頂部の水引の様式も同じである。但し、格調高い面描や桃色に近い赤色を鉋溝の中や肩の上面にも塗った雅な華やかさまでは、流石に再現されていない。この辺りはやはり時代の差なのであり、写し(復元)の限界なのであろう。

Tikara_sei_taisyo_hikaku2

典型的な力さんの誓型(左)も入れて、並べてみた。

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コメント

ご無沙汰してます
11/26〜30
北海道、青森、花巻へ
「津軽こけし館」の中古こけし入札初参加
12本獲得
11/29、青荷温泉泊まります
帰路で、寄って入金受け取ります
煤孫さんの「木偶の坊」にも立ち寄ります。

江口芳夫さま
お久しぶりです。
精力的なご活動、羨ましいです。
でひ、手帖に旅行記をお願いします。

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