第559夜:2022年元旦(髙勘古作)
快晴の中で初日の出が上がった。昨年はコロナ禍で翻弄された1年であったが、ワクチン接種も進み、オミクロンと言う変異株の感染拡大も懸念されるが、日本列島は全体的には穏やかな新春を迎えられたのではないだろうか。今年は寅年、筆者も還暦を超えて更に一回りを迎えることになった。会社を退職してからもあっという間の10年であった。さて、これからは1年1年が勝負である。先ずは2023年の元旦を無事に迎えることを目標にしよう。さて、昨年も年が押し詰まってから珍しいこけしを入手することが出来た。新年最初の本ブログ掲載こけしを物色していたので恰好の品物となった。今夜は、そのこけしも紹介しよう。口絵写真はそのこけしの表情である。
先ずは恒例の年賀状から。今回の達磨は、遊佐福寿さんの30年代の達磨に登場して頂いた。
2022年の初日の出! 雲ひとつ無い青空の中、遠くのマンションの後ろから今年最初の光が輝いた。反対方面の富士山の周りにも雲はなく、初日の出に照らされた赤富士が聳えている。
次は自作のお節料理。毎年恒例の紅白なます、田作り(くるみ入り)、栗きんとんの3点セットに、今回はたたきごぼうを1品追加した。TVの料理番組を見て作った訳だが、手間の割には美味で酒の肴にもピッタリである。久し振りの朝からの一杯を満喫した。
さて、今年の新春を飾るこけしである。
大きさは7寸2分。高勘の古作であることは間違いない。痴娯の家の旧蔵品で、高橋勘治として展示されていたと云う。<木の花>22号の「盛のこけし」の①として久松旧蔵の7寸4分のこけしが載っている。大正2年のこけしだと言う。本作はそれとほぼ同じ大きさで形も一緒。久松蔵品は胴模様が殆ど見えないが本作と同じ2輪の正面菊のようだ。櫛形の前髪、上部を揃えた鬢も同じである。面描も殆ど同じように見える。ただ、久松蔵品は一筆目なのに対して本作は一側目となっている。盛の大正期のこけしは大正型に代表される大寸は三日月形の二側目、勘治一家(盛一家)のこけしは一筆目で、一側目は見たことがない。
同じく大正期と言われる勘治一家のこけし(左:6寸6分)と並べて見た。こうして見てみると、本作は左のこけしより更に古い印象を受ける。高勘のこけしは大寸でも小寸でも胴模様が左右対称に描かれることが多いが、本作では2輪の正面菊の間の茎・葉が対称ではなく写実的に描かれているのである。この辺りの古作になると、もう勘治だとか盛だとかは関係なく、鳴子古作の風格に目が奪われるだけである。
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