第565夜:北山賢一の久四郎型2本
カーリングに熱狂した北京冬季五輪も終わり、以前の平穏な日常生活に戻って、こけしの案件に手を付けている。東京の新規コロナ感染者は減少傾向にあるとは言え、今だ毎日1万人以上の方々が感染している。これからシーズンを迎える、こけしのイベントも厳しい状況が続いている。このような状況が続く中、収集の中心はネットオークションになっているが、なかなか面白い物も出品されており楽しんでいる。先日は状態の良い無署名の久四郎型こけしが出品され、入手できたので紹介したい。口写真は、その久太郎型の表情である。
こちらに2本の久四郎型こけしを並べた。左が今回入手のもので右は昨年の10月に入手したものである。大きさは左が7寸5分、右が8寸。保存は2本とも頗る良い。左は材は欅のようで木目が綺麗に出ている。さて、今回の作がどこにも署名がされていない。たまたま書き忘れたということも考えられるが、おそらく意識的に書かなかったのであろう。平成3~4年頃、筆者は祐天寺にあった「つどい」に頻繁に通っていた。当時、つどいには北山賢一さんの新作が毎週のように送られてきており、その中には久四郎風の小寸こけしも含まれていた(第51夜参照)。そして、それら久四郎風のこけしには署名はなかった。まだ、久太郎さんが存命の当時、久四郎型の製作は許されなかったのであろう。そう思うと、このこけしもそのような時期に作られた可能性が強い。本作は、鹿間著「こけし鑑賞」の表紙の久四郎こけしに形体・描彩とも良く似ている。久四郎の代表作とも言える「こけし鑑賞」の久四郎を参考にして作ったものかも知れない。
右のこけしは細身で肩は殆ど無く、珍しい形体のこけしである。胴底には賢一さんの署名があり、特に久四郎型とは書かれていないが、表情から見て久四郎型なのであろう。このこけしは首が緩い嵌め込みになっており、クラクラと動く。このような特徴を持った久四郎のこけしは見たことがない。どういう経緯でこのようなこけしが作られたのか知りたいものである。
こちらが、首の嵌め込み状態である。
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