第564夜:覚平の初期こけし(祝!カーリング女子<銀>)更新有り
先ほど、北京冬季五輪のカーリング女子の決勝戦が終わった! 初めて決勝まで進んだ日本代表のロコ・ソラーレは残念ながら因縁の宿敵英国に敗れて2位となったが、初の銀メダル、五輪2大会連続のメダル獲得という快挙となった。カーリングLOVEの筆者は全ての試合を観戦し、勝っては喜び、負けては悔しい想いを抱いてきた。予選最終戦のスイスに負けての落胆から、前回と同じくスウェーデンの勝利により決勝進出をプレゼントして貰い、そこでスイスにリベンジしての銀メダル獲得。予選・決勝合わせて11試合という長丁場を経ても取れるメダルは1個だけ。そのメダルの重さは計り知れないだろう。勝った英国のスキップのミュアヘッドは前回の日本戦で自身のミスショットでメダルを逃し、それから4年間の苦しみを耐えての栄冠であった。表彰式では、あの気丈なミュアヘッドの目に涙が光っていた。日本はこれで、次回五輪では金メダルという大きな目標もできた。ロコ以外の日本のチームにも次を目指して頑張って貰いたいと思う。
さて、今夜紹介するのは南部系、佐々木覚平の初期のこけしである。南部系のこけしは特に力を入れている訳でもなく、従って所蔵するこけしもそう多くはない。佐々木家のこけしも10本にも満たない。そんな中、先日ヤフオクに出品された覚平のこけしは、初期のこけしと思われるもので、その風情に惹かれて入手した。口絵写真はその表情である。
掲載後、本作とほぼ同時期の作をご寄贈頂いたので、それを追加した(2/25)
こちらが、その覚平のこけしである。大きさは6寸。佐々木家の典型的なキナキナで、胴には赤と黄の太いロクロ線と緑の細いロクロ線で模様が付けられている。胴底の署名(本人かどうかは不明)から、覚平25才、昭和33年の作と分かる。Kokeshi wikiによれば、覚平は小学校在学中から木地修業を始め、昭和24年から新型こけしの木地を挽いたという。初期作の特徴と言えば、未だ手慣れていない木地と描彩、表情のあどけなさ、初々しさ等であるが、本作についていれば、木地と胴のロクロ線はしっかりとしている。しかし、表情は描線に硬さが見られ、下目で円らな瞳は純真無垢な童女を思わせる。
右のこけしは昭和36年作の覚平のキナキナ(第511夜参照)。本作からほぼ3年程経ってからのキナキナである。面描は母センということで表情は異なっている。中央のこけしはご寄贈頂いたもの。33.9.7の張り紙がある。本作から間もない頃の作と思われる。形体がスリムになり、表情が整ってきてやや年長さんの感じがする。
こちらは、上から表情、側頭部の花模様、胴底の署名である。左作では左右の花模様が後ろでは離れているが、中央ではくっ付いており、右ではより複雑になって付いている。
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