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第575夜:五平のチューリップこけし

Gohe_cyurip_kao 今日から6月である。ゴールデンウィーク後に危惧されたコロナ感染者の増加も一段落して減少に転じ、東京の感染者数も来週には3ケタ台になりそうな状況である。長かったコロナ禍のトンネルもようやく出口が見つかったようで明るい気持ちになっている。先日、レスリングのアントニオ猪木氏がある病気に罹って闘病生活をおくっていると聞いた。そんな矢先、野球の楽天で初代の監督を務めた田尾氏も同じ病気に罹患しているとニュースが報じた。「アミロイドーシス」という名のこの病気は多くの方々にはあまり知られていないが、アミロイドという異常淡白が体内で作られて種々の臓器に蓄積され、臓器の機能不全を引き起こすものであり、治療法が確立されていないため難病指定となっているものである。実は筆者も2008年の4月にその病気の宣告をされ地獄に突き落とされた思いをしたものである。そのことを記した第168夜では千夜一夜達成を断念せざるを得なくなった無念の想いを記している。幸いなことに筆者の場合、アミロイドの検出はその時1回だけで以降は検出されず、千夜一夜も達成し、寿命を保って今に至っていることを感謝しなければならない。当時は殆ど治療法が無かった難病であるが今では幾つかの治療法も出てきたそうなので、田尾氏、アントニオ猪木氏の回復を願っている。

さて、今夜は先日ヤフオクで入手した小松五平のチューリップ模様のこけしを紹介しよう。大正期から戦後40年代までのこけしが残っている小松五平であるが、晩年になってからは素朴で玩具っぽいこけしを作っている。こけしの胴模様には菊を代表に種々の草花が描かれるが、洋花のチューリップは珍しい。五平がチューリップを描いた訳を筆者は知らないので、お存じの方があればお教え願いたい。口絵写真はそのチューリップこけしの表情である。

Gohe_cyurip_2men

こちらがそのこけしである。大きさは5寸。胴底に「38年8月」の鉛筆書きがある。角張った頭に、胴上部が縊れた胴を付け、胴上下に太い赤ロクロ線を配した五平独特のこけしである。チューリップは子供がよく描く上が2つに分かれたシンプルなもので5寸という小寸こけしに程良く収まっている。

Gohe_cyurip_hikaku

昭和30年代初め頃の同寸こけし(左)と並べてみた。左では木地形態が全体的に細身で、胴には赤と緑の交互菊を描き、戦前の面影を残している。並べて見ることで、それぞれの良さ、見所を改めて認識することが出来るのも嬉しい。

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