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2週間ほど前になるが、ヤフオクに表情の良い土湯系こけしが出品されていた。その形体と描彩から、虎吉か二代目虎吉の作ではないかと思ったが、胴底に署名は無く、工人を連想させる記載もなかった。気になったのは、胴中央に大きく描かれたアヤメの模様。そこで、Kokeshi wiwkiの虎吉の項を見てみると、昭和16年の作として数本のアヤメ模様のこけしが載っていた。しかしそれらのこけしはいずれも潰し目で胴底には「佐久間虎吉/岩代川俣」のゴム印があると言う。また、アヤメの形状もやや異なるようだ。結局、工人名は特定できないままに入手することとなった。その後、工人も判明したので報告しよう。口絵写真は、その表情である。
先日のヤフオクに福寿さんの墨絵こけしが出ていた。描彩を墨だけ(口など一部紅を使うこともある)で描いたこけしがあることは知られており、福寿さんの墨絵こけしも以前は手元にあった。昔から人形や玩具の類として作られてきたこけしは、赤を中心とした明るい色彩で飾られているのが当たり前である。その用途から墨絵こけしが色彩こけしより売れるとは考えられず、工人も愛好家からの依頼など特別の理由があって作ったものだろう。墨絵こけしは弔事に使われるというようなことを聞いた覚えもある。筆者も普通は墨絵こけしを入手しないが、他ならぬ福寿さんの作であり、昭和30年代の作で見所も多々あるために入手した。口絵写真は、その表情である。
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