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第600夜:弘道の微笑みで年納め

Hiromiti_s340826_kao 新年まであと3日、今年も最後の掲載となった。何とか600夜を迎えられたことで安堵の気持ちもある。年初の559夜から始まった一年間で40夜余りしか増やすことが出来なかった。年々入手するこけしも減って来たところにコロナ禍も重なった影響が大きい。さて、記念すべき600夜には、先日ヤフオクで入手した34年の弘道を取り上げた。同様のこけしは何本か持っているが、弘道ラブの筆者はその微笑みに魅かれてまた手を出してしまった。今夜はその弘道こけしの紹介である。

Hiromiti_s340826_2men

こちらがそのこけしである。大きさは8寸2分。胴底の署名は「昭和34年8月26日」とある。胴上半分には太い2本の赤ロクロ線と3本の細い黒ロクロ線を組み合わせ、胴下部には黒の返しロクロを配している。「太治郎古型」と呼ばれる模様である。縦長のやや角張った頭に、下部に膨らみを付けたエンタシスの胴、完成された太治郎型のこけしである。そして、口絵写真に載せた「弘道の微笑み」。昭和33年から34年にかけて作られた弘道こけしの微笑みは、その製作時期によって少しずつ変化してくるのだが、今回の作でもそのこぼれるような微笑みが遺憾なく発揮されている。

Hiromiti_s340826_hikaku

昭和34年中頃の弘道こけしを並べてみた。左から「6月1日」「7月20日」「8月26日(本作)」「9月2日」。ほぼ3か月間の作であり作行に大きな違いは無いが、細部には変化も見られる。前髪の本数が減ってくること、鼻の大きさが小さくなってくることなどである。これ以降、弘道の微笑みは大きく変化して味わいが薄くなっていく。

本年も一年間ご覧いただき、ありがとうございました。
来年も、よろしくお願いいたします。

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コメント

今年も色々と面白い話をありがとうございました、良いお年を。

益子 高 様
一年間、ご覧いただき、ありがとうございました。
来年も頑張りますので、よろしくお願いいたします。

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