第610夜:英太郎こけしが大量に…(2)
英太郎こけしの続編である。第1回目39本に続いて数日後には第2回目の13本が出品された。筆者は第1回目で既に1本を入手していたので第2回目はスルーするつもりで見ていたが、今回の出品作を見てみると前回と比べてその筆致にかなりの違いのあるものが何本か含まれているのが分かった。その筆の違いはかなり大きいものであり、比べてみるために今回も1本入手しようとヤフオクに参戦した。今夜はそのこけしを紹介しよう。
こちらが今回のこけしである。大きさは前回と同じ8寸3分、並べて比べるのにはちょうど良い。前回作に比べて伝統的な色彩が強く、その表情から直助型と言えるかも知れない。やや縦長の丸みを帯びた頭に細めの直胴。典型的な遠刈田こけしである。眉は長く大きく、良く筆の伸びた三日月目は顔の中央より下で、愁いを帯びたような瞳が情感をそそる。直助から引き継がれた情緒溢れるこけしである。ところが近づいて面描を良く見ると、筆には勢いが無く筆先が震えているようにも見えるのである。そのヨレヨレ感はどうしたことだろうか。余程調子の良くない時に描いたのであろうか。それとも前回作よりも大分月日が経ってから作ったものなのであろうか…。
全体像を前回作(左)と並べて見よう。木地形態は殆ど同じだが、胴の木目模様も今回作はやや散漫という感じがしないでもない。
こちらは表情である。こう並べて見ると筆の勢いの違いは明らかである。しかし、表情から受ける情味という点では、筆先の揺れもそれなりの効果を発揮して、今回作の方に軍配が上がるかも知れない。そのためか、今回作の落札価は前回作の倍以上になっていた。
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