第619夜:津軽こけしの源流を求めて(諒祐5)
昨夜に続いて今夜も、諒祐さんのこけしである。諒祐さんは令和3年3月からこけし作りを始め、4月から一般に販売を行っている。従って未だ始めて2年ほどであるが、kokeshi wikiを見ると当初から各種の盛秀古作に挑戦しているのが分かる。さて、今回の「原」こけしは酒井利治氏旧蔵の盛秀古作5寸9分である。口絵写真は諒祐こけしの表情である。
こちらがそのこけしである。大きさは5寸。現在諒祐さんの作るこけしは5寸が多いようである。「原」こけしは丸頭で肩はかなり張っており、胴中が括れた均整のとれた形態をしている。本作は頭は角張り気味で頭頂部が尖って丸い地色の部分が横からでも分かる。肩は撫で肩で胴中の括れも少なくずん胴に近い。また「原」の顔は目尻の下がった眉に鯨目、大きな鼻に紅口である。本作は「原」を相当アレンジしており、横長の大きな鯨目は両眼点が目頭にくっ付くほどに寄って、歌舞伎の睨みを思わせる異様な雰囲気を漂わせている。胴模様は「原」もあっさりとした模様であるが、本作ではロクロ線が細く更に簡素になっている。
奥瀬鉄則さん(中央)と恵介さん(右)の同型のこけしと並べてみた。鉄則作は胴の括れがやや少ないが、形態・描彩とも「原」を忠実に写している。恵介作も同様の傾向であるが、面描が大胆で迫力が出ている。同じ「原」こけしを元にしても作る工人の個性により出来上がるこけしにはかなりの違いが見られ、それも収集家の楽しみになっている。
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