第626夜:伊太郎のこけし
23日、久し振りに友の会の4月例会&総会に出席して帰宅すると、弘前の笹森さんからこけしが届いていた。一年以上も前になるが伊太郎のこけしを入手したので笹森さんに写しをお願いしていた。それが出来上がったのである。その伊太郎こけしは未だ本ブログに掲載していなかったので、改めて紹介しようと思う。伊太郎は昭和7,8年から木村弦三氏の勧めでこけし製作を始めたが、昭和12年には亡くなっているので、そのこけしは少ない。
伊太郎のこけしは「こけし鑑賞」に掲載された3本から分かるように、形態的には頭が横広気味で肩が張り胴裾が窄まったものと、頭は縦長で胴は直胴のものの2種類があるようだ。
こちらが今回の伊太郎こけしである。その木地形態から「こけし鑑賞」の真ん中の伊太郎こけしと同手と思われる。胴裾には紙が貼られ、「津軽(弘前) 佐藤伊作.作」と書かれている。当時、伊太郎は伊作と呼ばれていたのであろうか…。但し、面描の鼻が長いことと口に紅が入っている点は直胴タイプの伊太郎こけしに近い。kokeshi wikiでは伊太郎こけしにはその面描から2種類のタイプがあり、1つは鯨目状で幸兵衛の筆致に近いもの、もう1つは眉が太く筆致が稚拙なものと解説されている。本作は目は鯨目とは言い難く、眉は太くないが筆にぎこちなさも伺われる。面描は「こけし鑑賞」の左の作と近いと言えるかも知れない。
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