第664夜:久し振りの米沢…
先週の木曜日、米沢の長谷川正司さんから電話があった。以前頼んだこけしが出来上がったとのこと。天気を調べると翌週はかなり強い寒波がきて雪になりそう。そのため急遽、土曜日に日帰りで米沢に行くことにした。新型コロナが蔓延してから福島以北に行ったことは無く、久し振りに東北の地に足を踏み入れた。出発時の東京は日差しが強く、気温も20度余り。午後1時過ぎに米沢に着き駅から出ると、こちらも冬の米沢らしかねる暖かさ…。駅まで迎えにきてもらい、正司宅へ向かった。
正司さんに写しをお願いしたのは2,3年前か…。その後、コロナ禍にみまわれ、正司さんは腰を痛めて製作は出来なくなり、一年前には廃業という言葉まで出ていた。今年の半ば頃から診て貰っていた先生を変え、マッサージとリハビリに励んだことで何とかロクロを回すことが出来るようになり、待望のこけしも出来るようになったそうだ。昔馴染みの工人さんは皆高齢になって亡くなってしまい、お邪魔して長い時間を一緒に過ごせるのは今や正司さんくらいになってしまった。そのため、今回の復活は何とも喜ばしいことであった。
久し振りの正司さんと出来上がったこけし。吉太郎型大小2種と山形系不明(黒田うめのか?)の3種類である。
こちらは吉太郎(大)の写し。右から2本目が「原」こけしで、第472夜で紹介している。大きさは1尺2分。約2年振りの製作であったが、木地・描彩とも以前と変わらない出来栄えである。85歳を超えたというが、鋭い筆致に揺らぎは見られない。緑のロクロ線の色調や配列にバラツキも見られるが、全く同じものより変化があって却って楽しめる。材はイタヤであるが、左端の1本のみサワクルミで作られている。
こちらは吉太郎(小)の写し。右から2本目が「原」こけしで、第569夜で紹介している。大きさは6寸5分、長い胴と小さな頭が面白いこけしである。こちらも面描にバラツキがあって表情の変化が楽しめる。正司さんは大寸でも、胴にロクロ線の入らないものが好きだと云う。
こちらは山形系不明こけし(黒田うめのではないかと思われる)の写しと、同じ木地形態の本人型。右から2本目が「原」こけしで、左端が吉太郎型描彩の本人型である。大きさは5寸5分。「原」が誰のものか分からなかったが面白い作なので写しをお願いした。女性の筆らしい愛らしい表情である。正司さんの写しは頭がやや大きくなっており、その分面描も広がっておおらかな表情になっている。同じ木地で自由に描いて欲しいと頼んだら吉太郎型の描彩のこけしが出来あがった。
正司さん、今はまた製作意欲が旺盛になってきたようだ。これから冬の間は無理をしないで、暖かくなったら作って貰いたいと期待している。
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