第672夜:祐生幸兵衛型(北山盛治)
元日は「令和6年能登半島地震」、昨2日は羽田空港で飛行機の衝突事故、何とも先行きに不安を感じる年明けとなった。今日3日になってようやく平穏な一日となった。恒例の箱根駅伝では駒大圧勝との予想を裏切って、青学が意地の新記録での優勝をなしとげた。このような番狂わせは歓迎である。さて、津軽系の北山盛治さんは各種の型のこけしを作っているが、幸兵衛型については笠幸兵衛以外は知らなかった。今夜は、昨年12月に入手した幸兵衛型こけしを紹介しよう。
今回のこけしは、木村弦三著「陸奥乃小芥子」に掲載されている幸兵衛こけしの復元作である。「原」こけしは板祐生コレクションに所蔵されており、8寸位であろうか。頭は角張っていて正方形に近く髷が付いている。首は割合長く、胸は大きく張り、そこから窄んで胴裾にかけて広がっている。均整のとれた美しい形態である。胸部には紫と赤の太いロクロ線が入り、胴中の括れ部には紫2本と赤の太いロクロ線が引かれて特徴的なアクセントになっている。胴下部にはダルマ絵が描かれ、その下にやや太い赤と紫のロクロ線が引かれている。表情は温和である。なお、「原」こけしのある祐生コレクションは、「木人子閑話(16)」に掲載されている。
こちらが、北山さんの幸兵衛型。大きさは8寸。胴底に「幸兵エ型 北山盛治 津軽」の署名がある。製作時期は不明であるが、作りたてのような保存状態から近作と思われる。ほぼ忠実な木地形態と言えるだろう。ロクロ線の配色、ダルマ絵とも申し分無し。額が広く、視線は下を向いており、優しい表情である。頬紅は有るか無いか分からない程、薄く引かれている。
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