第675夜:祐生幸兵衛型2
昨夜まで3夜続けて、板祐生コレクションにある幸兵衛こけし型の紹介をしてきたが、祐生コレクションにはもう1本幸兵衛のこけしがあり(こちらは「陸奥乃小芥子」には載っていない)、これも写しが作られている。今夜はその紹介をしよう。その「原」こけしは前回までの幸兵衛こけしよりやや小さく細身で、胴裾で窄まっている。胴には牡丹模様が描かれている。口絵写真は阿保六知秀作の表情。
この祐生の牡丹幸兵衛こけしは、笹森さんと阿保六知秀さんにより作られている。左が笹森作(8寸3分)で平成18年8月作、右が六知秀作(8寸1分)で平成17作(伊勢こけし会 第100回記念 定期頒布)である。木地形態は胴裾の膨らみがやや異なるが、全体的には「原」にほぼ忠実である。ロクロ線の配色も位置はやや異なるが同一である。牡丹模様は花弁数に違いがある(笹森:9筆、六知秀:7筆)。面描も良く似ているが、笹森作には頬紅が無く、六知秀作は極薄く頬紅が塗られている。どちらも良い出来であり遜色ない。
「木人子閑話(16)」に掲載されている写真に合わせて、笹森さんの2本を並べてみた。いずれも平成18年作。「原」の正確な大きさは分からないが、この2本、「原」同様に牡丹模様の方がやや小さくなっている。この手の幸兵衛型はいつも作る訳ではないので、出た時に入手しておくことが大事である。
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