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第689夜:元村コレクション(首振りたちこ)

Moto_kinakina_tatiko_kao 昨夜は元村コレクションの岩太郎たちこを紹介したが、今回の元村コレクションの出品では別のたちこもあり、今夜はそのたちこを紹介しよう。このたちこの大きな特徴は、作り付けではなく首の長い頭がクラクラと動くことである。千夜一夜(1)の第596夜で紹介した高橋みねのたちこと同様の構造になっている。署名など工人名を示す情報は記載されていないので、他のこけしとの比較により製作工人を推測してみたい。

Moto_kubifuri_tatiko_hikaku2 Moto_kubifuri_tatiko_hikaku

先ずは、596夜のみねのたちこと並べて比べてみよう。右がみね、左が今回の元村たちこである。長い首のある構造は同じであるが、全体の木地形態は元村たちこは胴がやや短く肩はなだらかで、胴の膨らみのピークは胴の中程でみねたちこより低い。また裾の括れは大きく引き締まっている。全体の大きさはほぼ変わらないので、胴が短い分、頭がやや大きくなっている。同一工人による手作業でのバラツキとは思えず、同一工人なら製作時期の違い、または別工人の可能性もありそうだ。但し、wiki掲載のみねたちこ(白黒写真)の形態は、裾の括れも大きく元村たちこに近い。みねの木地は中村雷治と言われているが確証は無く、本作の木地も工人の特定は難しい。

Moto_kubifuri_tatiko_hikaku4 Moto_kubifuri_tatiko_hikaku3

次に描彩を見てみよう。みねのたちこの胴模様は車菊しか見たことが無く、本作のような楓模様は類例を知らない。そこで昨夜の元村岩太郎たちこの楓模様と比べてみた。すると添え葉の様式は異なるが、楓本体の描法や胴下に赤い土玻がある点などは非常によく似ていることが分かる。これは同じ工人の描彩としても違和感は感じられない。

Moto_kubifuri_tatiko_kao_hikaku3

最後に面描を比べてみよう。左からみねたちこ、本作(元村たちこ)、岩太郎たちこ。みねたちこはみね描彩と言われているが、実際の描彩は竹雄ではないかと思われる。竹雄の作例はそれほど多くはなく、その表情も製作時期によってかなりのバラツキがあるが、右目の目尻が下がる癖が散見される。本たちこでは両目の目尻が下がっているのも特徴である。但し、前述のwikiのみねでは両目尻が下がっているようだ。また、本たちこでは眉の描線が鋭角的で、これは岩太郎たちこと共通するものである。こうした点を考慮すると、本作はやはり竹雄作で製作時期は左のたちこよりやや古いものではないだろうか…。

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コメント

詳しい説明ありがとうございました 当時 工人から直接購入されたものでしょうか

ター坊 様
直接工人から購入することもあったと思いますが、
戦前のコレクターの産地訪問記を読むと、土産物店等で買ったケースも多かったようです。
工人が署名をしない時代なので、○○工人の作と言われれば、そのまま通ったのでしょう…

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