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第693夜:元村コレクション(平賀謙蔵)

Moto_kenzo_kao 3月末より多事に忙殺されている内に半月が経ち、遅かった桜も開花して散ってしまった。さて、元村コレクションの続きである。出品こけしの中には作並系と思われるこけしが大きさ、形、描彩の異なるものが数点出ていた。これまで作並系には縁遠く優品の手持ちが無かったので、1本狙いで挑戦した。今夜は、何とかゲットできた平賀謙蔵のこけしを紹介しよう。

平賀謙蔵は明治20年9月10日、平賀太五郎の長男として山形県東置賜郡漆山村で生まれた。謙蔵は明治34年に倉吉の弟子となり木地を修業、明治40年11月30日に卒業した。同年12月に入隊し、42年12月に除隊した。翌43年1月から44年4月まで倉吉のもとで15カ月間御礼奉公をした。明治45年に作並に帰って木地を開業し、玩具・盆・椀・雑器等を作り、温泉土産として売った。 昭和6年の仙山線開通により温泉客が飛躍的に増加して、木地物も大いに売れるようになった。昭和12年頃に中風を患い、以後は描彩を専門に行うようになった。昭和17年頃からはほとんど描彩も行わなくなり、戦後は全くこけしを作らなかった。昭和24年12月12日没、行年63歳。(kokeshi wikiより)

謙蔵のこけしは、天江富弥著〈こけし這子の話〉で紹介された三本が初出のようで大正末期の黒頭のこけしが載っている。その後、昭和一桁台に精力的にこけしを作り優品が残っている。

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こちらが元村コレクションの謙蔵である。大きさは8寸5分。kokeshi wikiには天江旧蔵の大正末期のこけし(黒頭)が2本載っているが、本作はそれらと同様、ロクロ線と茎葉に紫を使っており、二側目も下瞼が上に凸の様式になっている。頭が手絡になっている点を除けば同趣のこけしと言えるだろう。下窄まりの頭、さらっと描いた前髪と4筆の太い鬢、そして間直ぐ前を見つめる凛々しい表情が素晴らしい。

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頭頂部の様式と胴底の「元」署名である。製作・入手に関する書き込みはないが、昭和初期の優作と思われる。

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