第710夜:哲郎の直治型
昨日19:57スマフォで緊急地震速報が鳴ると同時に強い揺れが襲ってきて並べてあったこけしが一斉に倒れた。一昨日「南海トラフ地震臨時情報」が出たばかりであり緊張感が走ったが大過はなかった。さて、ここのところ吉弥家のこけしを話題にしているが、今夜もその続きである。ヤフオクで入手し、昨日届いたこけしである。出品写真を見た時に、その描彩の特徴から、それが小原直治型のこけしであることは直ぐに分かったが、胴底の署名は「哲郎」となっていた。吉郎平系列の哲郎が直治型を作ったという話は聞いたこともなかった。
こちらがそのこけしである。大きさは7寸である。肩の張った直胴に、重ね菊の間に赤2線を入れた襟菊模様、頭頂部には赤と緑の2点とそこから放射状に広がった手絡模様、そして鬢後ろの耳状飾り。直治の特徴を全て備えたこけしとなっている。
ところで、直治型のこけしと言うと鹿間時夫氏が吉之助に作らせたものが知られている(第293夜参照)。哲郎は父吉弥とともに吉之助にも師事しており、吉之助の直治型も知っていたと思われる。吉之助は初作の昭和33年5月以降にも直治型を作っており、哲郎にも直治型製作の依頼があったのだろう。写真中央が吉之助の初作、右は昭和35年8月。
3本の頭部の描彩である。いずれも直治の特徴を再現しているが、右の35年作では鬢後ろの耳状飾りが無くなっている。
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