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第726夜:正司さん訪問

2411yonezawa_moh 米沢の長谷川正司さんから、こけしが出来たという連絡があったのは9月頃であっただろうか…。なかなかスケジュールが合わず、米沢に出掛けたのは10月も末になってからである。コロナ禍で産地訪問は止まっており、久し振りの訪問であった。高齢の正司さんは腰痛に悩まされており一年程前にはこけし作りを辞めるようなことも話していた。今年になって、リハビリを併用した治療が功を奏して又こけしが作れるようになったのはこの上もなく嬉しいことである。口絵写真は米沢駅の名物、米沢牛の置き物である。

正司さんとのお付き合いはもう30年を超えたであろうか。小林吉太郎に魅力を感じていた筆者は、正司さんの迫力のある吉太郎型に魅かれて米沢を訪ねたのが最初であった。米沢駅に着いて電話をすると車で駅まで迎えに来てくれる。いつもはそのまま正司さん宅に向かうのであったが、今回はお願いして米沢ラーメンのお店に連れて行って貰った。出前をしてくれたお店が無くなってしまい、お店まで行かなければならなくなったのである。

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こちらが、米沢ラーメン(チャーシュー麺)である。米沢に来たら、先ずは第一に食べなければ始まらない。醤油ベースのやさしい味が何とも心地良い。

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こちらは、正司さんの家(工房)と正司さん。今は、正司さんは一人住まいで近くに娘さん一家が住んでいる。

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こちらが原の吉太郎作(左から2本目)と正司さんの写し3本。大きさは9寸7分。原は胴上下に赤と緑の多数のロクロ線が引かれ、面描は眉・目・鼻が中央に寄った雅な作で、昭和10年代前半と思われる。久し振りに作った正司さんの写しは木地挽き、描彩とも闊達で以前の作と遜色なく87歳とは思えない出来栄えである。流石に多数のロクロ線を原通りに作るのは大変とのことで、一本一本異なっているのも御愛嬌であろう。

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次に表情を比べてみよう。原の中央に寄った集中度の高い面描を良く写している。今回10本作ってもらったが、左の1本は上瞼と下瞼の間隔が狭く、より忠実に描いているのが分かる。最初に作ったのだろう。但し、残りの9本は両瞼の間隔がやや開いていつもの正司さんの吉太郎型の顔になっているが、こちらの方がむしろ自然のように感じられる。

 

この日は駅前の東横インに宿泊し、翌日は上杉神社まで足を延ばした。平日ということもあって、米沢駅から神社までの道では殆ど人に会わなかった。上杉神社には何回か行ったことがあったが、今回は上杉博物館で特別に展示されている国宝の「上杉本洛中洛外図屏風」を見学し、隣接している上杉伯爵邸で昼食を頂いた。米沢といえば米沢牛、ちょっと贅沢にスキヤキで頂いた。

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こちら、左が上杉伯爵邸。大正14年に作られ、銅板葦き、総ヒノキの入母屋づくりの建物と、東京浜離宮に依って造園された庭園で有名である。この由緒ある建物の中で庭園を見ながらの飲食は何とも優雅である。右が米沢牛のスキヤキ、蕩けるような牛肉に舌鼓をうって、紅葉の米沢を満喫することができた。

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