第734夜:2025年入手の古品(岡崎栄作)
新年早々、ヤフオクに古品の出品が続き、持っていない古品こけしをコレクションに加えることが出来た。今夜のこけしは蔵王系の岡崎栄作である。最早多くを集めるつもりは無いが、やはり持っていないもので気になるものが出てくると手を出してしまう。その工人のピーク期のものとか初期のものであれば尚更である。今夜の栄作も初期のものとのコメントがあり、wiki等で確認をした上で決断をした。最低価が高かったためか、結局他に入札者が現れず、国恵志堂にやってきた。今夜はその栄作こけしの紹介である。
岡崎栄作は蔵王高湯能登屋の直系で久作の長男、明治19年9月の生まれ。尋常高等小学校を卒業後、叔父栄治郎について木地を習得した。以来、蔵王高湯にて木地業を続け、昭和25年10月25日、65歳で亡くなった。栄作のこけしは大正期のものから知られており、<こけし這子の話>に作例がある。kokeshi wikiには、大正期と昭和6年の2本の栄作こけしが載っている。
こちらが、今回のこけしである。大きさは8寸2分。胴底に「5~6」の書き込みがあり、昭和5,6年を指すものと思われる。wiki掲載写真の左(昭和6年)と殆ど同手の作であり、同時期のものと推測される。黒頭の前髪は真ん中で左右に分けており、目の位置は顔の中央よりやや下になっていて眉と目の間が開いている。二重の瞼は小振りで中央に寄っており、あどけなさを残した可憐な表情となっている。緑の色も良く残っており、赤と緑交互の重ね菊も太い筆致で好ましい。
頭頂部と胴底の写真を示す。頭頂部には中剃りがあり緑色に塗られている。栄作ならこの一本というような素晴らしいこけしであり、今年の収集活動の幸先の良い出足となった。
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