第741夜:誓のクリクリ眼こけし
今日から3月に入ったが、関東地方は好天に恵まれ気温も高く幸先の良い出だしとなった。海の向こうではドジャースの大谷翔平がオープン戦初戦の初打席でHRを打ち、今年も活躍が期待される。さて、今夜は先日ヤフオクで入手した大沼誓のこけしを紹介しよう。誓のこけしは特色のあるこけしで大正期のものから残っているが、今回のこけしはその誓こけしのイメージとはかけ離れたものである。口絵写真はその表情である。
平成26年の友の会旅行は鳴子温泉で、その折、大沼力さんを訪ねた。暫く前に入手した目の大きなこけしが力さんのものかどうか確認するためであった(千夜一夜①第962夜参照)。その時は確認はとれなかったが、後日その手の力こけしがあることが分かった。名古屋こけし会が発行している写真集「わたしたちの大沼力」に掲載のNo1のこけしがそれである。
こちら、左は「わたしたちの大沼力」掲載の力こけし。右が今回入手した誓こけし。丸い頭、太い胴、肩の高い山など木地形態はよく似ている。力こけしの胴模様は誓がよく描いた三方菊。鬢の長さは異なるが円らな大きな瞳も同じである。力さんは誓のこけしがあまり好きではなかったので自分で好きなように作ったと話していたが、当初は同じようなものを作っていたことが分かった。しかし、この手の誓こけしは他に見たことがなく、長くは作らなかったのであろう。形態的にはあまり頂けないが、大きな瞳は無垢な幼子の純粋な気持ちが現れているようで何となく魅かれてしまう。70年以上経っているのにこの保存状態も素晴らしい。
こちら3本は、中央が今回の誓こけし、右は大きい目の力こけし、左は23年の記載がある誓こけし。
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