第755夜:二代目虎吉の由吉型(地蔵型)
先日のヤフオクで中古の小寸こけしが10本程纏めて出ており、気になるものがあったので挑戦した。その中の1本に二代目虎吉の由吉型があった。二代目虎吉が初代虎吉型の他に浅之助型や由吉型を作っているのは良く知られている。筆者も初代虎吉型を中心に何本かを入手していたが、由吉型は気に入ったものが無く、今回が初めての入手となった。今夜は、そのこけしを紹介しよう。口絵写真は由吉型の頭部である。
ヤフオクの10本の中に二代目虎吉の地蔵型が入っていることは分かっていたが、送られてきた現物を見て驚いた。その地蔵型は由吉型であったからである。二代目の由吉型は知っていたが、地蔵型は初めて見たのである。しかもなかなかの良い出来である。早速、手持ちの由吉地蔵型と比べて見たくなった。
こちらが、その二代目虎吉の地蔵型(由吉型)である。大きさは3寸8分、土湯の典型的な地蔵型である。
由吉の地蔵型(左、4寸2分)、初代虎吉の地蔵型(右、二代目作、4寸7分)と並べてみた。本作(中央)は由吉と比べると頭がやや縦長で胴裾の絞りが大きく、畳付きの台は丸みを帯びてやや薄めになっている。形態的には初代の地蔵型に近い部分もあるようだ。胴のロクロ線はいずれも赤と黒が主体で返しロクロも入っているが、由吉作には胴中央下部に黄色のロクロ線が入っているのに対し、本作には緑の細いロクロ線が入っており、それぞれの特徴が垣間見られる。
こちらは、顔と頭の比較である。本作は表情、特に目の描彩にも初代虎吉型の雰囲気が感じられるが、太い鬢を始め前髪やカセ等は由吉に倣ったものとなっている。二代目の由吉地蔵型はそれほど沢山作られたとは思われず、良い物が手に入ったと喜んでいる。
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