第761夜:ネコ目の庄七
今年の梅雨が明けた。昨今はシトシトした梅雨と言うことはなく、降れば豪雨という感じで困りものである。さて、6月末に秋保に行ってから何となく秋保こけしが気になっていたら、ヤフオクに珍しい庄七のこけしが出て来た。これもまた、こけしの縁かと思い入札に参加した。思いの外の高値になったが何とか入手することが出来た。今夜はそのこけしを紹介したい。
こちらがそのこけしである。大きさは6寸7分、童宝舎の旧蔵品である。昭和15年頃の作のようだ。大きく見開いたネコ目に驚き、赤・黒・緑の3色に重ねた胴上下のロクロ線が斬新さを煽る。同時期の庄七の本型と比べて、その違いは大きい。売れ行きを上げるための変り型こけしと言えるのかも知れない。庄七は戦前に新型と称して青頭に果物模様を描いたこけしも作っているから、庄七こけしのバリエーションの一つとして捉えるのか良いかもしれない。
ほぼ同時期の庄七本型と小寸(4寸)と並べてみた。小寸は作り付けで、目は一側目であるが眼点が大きく、鼻は猫鼻であり、ネコ目の本作と表情でも共通点が多い。そうして見ると、異色と思われる本作も何となく馴染んでくるから不思議である。このような大きな開き目は肘折系の中島正の戦前作にも見られるものであり、戦前作の多様性と言ってよいのだろう。
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