土湯系

第602夜:昭和29年の正一こけし

Syoichi_s29_kao 先日のヤフオクに保存の良い佐藤正一のこけしが出ていた。太治郎型ラブの筆者は未だ持っていない昭和29年作ということもあって争奪戦に参戦した。出品数が増えたこともあって最近は落札価が下がっていた正一こけしであったが、久し振りの競り合いでは福沢諭吉の出番と相成った。さて、正一のこけしに関しては気になることがあった。それは鹿間時夫著「こけし・人・風土」に記載されていた正一訪問の話である。そこで改めて同書を読み直してみると、その訪問は昭和28年11月のことであることが分かった。そのセンセーショナルな記事の内容から、この時期の正一こけしに興味が湧いたのである。

 

 

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第600夜:弘道の微笑みで年納め

Hiromiti_s340826_kao 新年まであと3日、今年も最後の掲載となった。何とか600夜を迎えられたことで安堵の気持ちもある。年初の559夜から始まった一年間で40夜余りしか増やすことが出来なかった。年々入手するこけしも減って来たところにコロナ禍も重なった影響が大きい。さて、記念すべき600夜には、先日ヤフオクで入手した34年の弘道を取り上げた。同様のこけしは何本か持っているが、弘道ラブの筆者はその微笑みに魅かれてまた手を出してしまった。今夜はその弘道こけしの紹介である。

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第594夜:大内恵津子の一次古型

Etuko_shimobukure_kaoヤフオクを見ていたら、ちょっと気になるこけしに出会った。やや下膨れの顔にクリッとした小振りの目、頬紅が愛らしい。明るい色彩の可愛いこけしが氾濫している昨今のこけし界、しかし本作は単に愛らしいだけではなく、何処かで出会ったような親近感を覚えた。岳温泉の大内恵津子のこけしであった。胴底の書き込みから平成16年の作のようだ。今夜はこのこけしを眺めてみよう。口絵写真は表情である。

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第587夜:弘道の微笑み(誕生2)

Hiromiti_s3307taishi_kao台風が去って久し振りの好天の中、10月を迎えてこけし関係のイベントも賑やかになってきた。さて、国恵志堂の主要蒐集こけしの1つである斎藤弘道のこけしは昭和31年頃から作られているが、評価の高い弘道こけしは昭和33年7月作がその始まりではないかということを第547夜に書いた。それと同時期の7月作の弘道太子型がヤフオクに出品され、頑張って入手したので改めて紹介したい。弘道の太子型は6寸に絞って集めているので、今回はその条件にも合致し、正に待っていたこけしが手に入ったという感じである。口絵写真はその表情である。

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第581夜:虎吉のアヤメこけし

Torakiti_ayame_kao 2週間ほど前になるが、ヤフオクに表情の良い土湯系こけしが出品されていた。その形体と描彩から、虎吉か二代目虎吉の作ではないかと思ったが、胴底に署名は無く、工人を連想させる記載もなかった。気になったのは、胴中央に大きく描かれたアヤメの模様。そこで、Kokeshi wiwkiの虎吉の項を見てみると、昭和16年の作として数本のアヤメ模様のこけしが載っていた。しかしそれらのこけしはいずれも潰し目で胴底には「佐久間虎吉/岩代川俣」のゴム印があると言う。また、アヤメの形状もやや異なるようだ。結局、工人名は特定できないままに入手することとなった。その後、工人も判明したので報告しよう。口絵写真は、その表情である。

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第577夜:佐久間義雄(二代目虎吉)のこけし

Tora2_s34yoshio_kao 筆者がこけしの収集を始めた昭和40年代後半頃には、二代目虎吉のこけしは入手難になっており、デパート等の展示・即売会では抽選品となっていた。その二代目虎吉のこけしも今では格段に安価になっており容易に入手が可能となっている。そんな二代目虎吉こけしの中でも、義雄名義(署名)のものは依然として高値で入手も容易ではない。製作数が少ないということが大きな要因なのであろう。戦後のこけしは沢山作られたこともあって今ではその多くが安価で容易に入手できるようになったが、一部の定番こけしは相変わらず人気があって高価になっている。義雄名義のこけしもその中の一つという事が出来るだろう。口絵写真は義雄こけしの表情である。

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第576夜:佐久間虎吉のこけし

Tora_s34_kao 土湯系湊屋の佐久間虎吉は浅之助の7男、由吉を長男とする佐久間兄弟の末弟である。名立たる兄弟の中では若いだけあって清新な魅力に溢れたこけしを作った。古い時代のこけしは不明で、残っているこけしは昭和15年以降のものが大半である。戦後のこけしは当初は世の中の風潮に乗った新型っぽい甘いこけしであった、30年代後半に入って収集家からの勧めで自身の戦前のこけしを復元して復調し、収集界に喜ばれた。先週、ヤフオクに虎吉の息子義雄のこけしが出品されていた。「義雄」署名のこけしは少なく人気もあって入札価はみるみる上がっていった。そんな折、ヤフオクには虎吉のこけしも出品されていた。義雄と同じ大きさでよく似たこけしである。即決となっていたので、少し高いとは思ったが入手した。口絵写真は、その虎吉こけしの表情である。

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第571夜:半澤工人の亥一型

Hanzawa_iichi_kao 東京近郊では桜は終わり新緑と色とりどりのツツジが目に眩い季節を迎えている。新型コロナの感染者数は高止まりが続いていたがようやく減少に向かい始めた感もある。一方でゴールデンウィークを控え、感染者数増加の危険も拭えない。先日のヤフオクに中の沢の氏家亥一型と思われるこけしが出品されており、価格的にはちょっと高いと思ったが、筆者は「こけし談叢」の亥一こけしの現物を所有していることから亥一型には興味を持っており、入手した。出品解説に大きさは記載されていなかったが、8寸か1尺と思っていたところ、実際には6寸であり拍子抜けであった。今夜はその亥一型こけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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第560夜:高橋仲代のこけし

Nakayo_s19_kao 2022年の年が明けて10日が経った。この間、新型コロナの変異種オミクロン株が急速に感染者を増やし、沖縄・山口・広島ではまん延防止等重点措置が発令された。ようやく落ち着いてきてイベント等も開かれるようになったこけし界も楽観はできない状況になりつつある。さて、今年2回目のブログ掲載には、昨年末に入手した土湯系の高橋仲代のこけしを取り上げることにした。国恵志堂コレクションの中でも太治郎型は重要な位置を占めており、その範疇のこけしとして仲代のこけしには興味を持っていた。仲代のこけしは以前にもヤフオクに出品されたが、高額の競り合いに敗れて入手できなかった。今回はほどほどの価格であり入手に至った。口絵写真は、その仲代こけしの表情である。

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第551夜:久し振りの友の会例会(R3年11月)

2111reikai_miharu 昨日は東京こけし友の会の11月例会があった。コロナ禍のために昨年の3月から休会が続いていたが、10月から再開された。この間に例会の会場も替わっており、10月はお休みした筆者は今月が新会場(東京文具共和会館)への初参加となった。先月、今月と、例会は定員を制限した申込制となっており、今月は30人余りの方々が参加された。なお、12月(12/12)は定員を制限せず、従来通り自由に参加できる例会になるとのことである。口絵写真は、筆者が受け取った三春さんのおみやげこけし(治一型)である。

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