肘折系

第593夜:喜代治が来た!

Kiyoji_s18_kao昨夜終了したヤフオクで、野矢俊文さんの6寸こけしが何と19万円で落札された。次点とは千円差、他に4万円台の入札者が2名。ヤフオクとも長い付き合いであるが、「超」が付く驚きであった。出品者の「ひやね」さんには嬉しい誤算かも知れないが…。さて、先日こけし屋のAさんから、こけし紹介の話が来た。中に戦前の奥山喜代治があるというので、見せて貰うことにした。これまで喜代治のこけしには縁が薄く、戦後の余り状態の良くないこけしを数本持っているだけであった。それだけに戦前の作には食指が動いた。会って見せて貰うと、保存状態も上々のなかなかの良品であり、譲って貰うことにした。今夜はその喜代治のこけしを紹介しよう。口絵写真は表情である。

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第592夜:改めて文吉(2)

Bunkiti_s36_kao 昨夜は佐藤文吉の第2のピーク期のこけしを紹介した。話は前後するが今夜は第1のピーク期のこけしを紹介しよう。第2ピーク期の作は、鹿間時夫氏が<こけし鑑賞>で絶賛した大名物の1尺3寸余りの文六こけしを目指したものであり、どうしても作為が見え隠れする。対して第1ピーク期の作は文六こけしを元にしながらも、文吉自身のこけしとして作られており、その素直なこぼれんばかりの笑顔が魅力的なこけしである。口絵写真はその昭和36年作の表情である。

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第591夜:改めて文吉(1)

Bunkiti_s41_kao 佐藤文吉のこけしは、愛好家の多いこけしの中でも最右翼に列せられるこけしと言えるだろう。こけしブーム華やかなりし昭和の時代、文吉こけしに魅了され、猛蒐集に走り回ったと北村勝史氏は「木の花(第8号)」の『戦後の佳作』で述べている。そして、戦後の文吉のピークは2つあり、第1は昭和36年、第2は昭和39年末から43年末であると。先日ヤフオクに、この第2のピーク期の作と思われる作が出品され、入手したので紹介したい。口絵写真はその表情である。

 

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第553夜:ピークに向かう文吉こけし

Bunkiti_s39_kao 今日から師走である。激動の2021年もあと一か月となった。現在のコロナの鎮静化が続くことを願わずにはいられないが、オミクロンという変種が発見されて事態は怪しくなってきた。さて、今夜も友の会の例会で入手したこけしの紹介である。当日の入札こけしの群像は第551夜で紹介しているが、その中に佐藤文吉のこけしは3本含まれていた。1本は昭和20年代中頃の作で珍しく、当日の入札でも人気が高かった。もう1本は昭和39年頃と記載のある胴上部にくびれがある1尺のこけし、そしてもう1本が今夜紹介する文吉である。会場でこの文吉を見た時に頭に浮かんだのは、「木の花(第8号)」の<戦後の佳作>⑧に載っていた文吉のこけしである。しかし、この文吉はあまり人気がなく他に応札者はなく筆者が手にすることが出来た。口絵写真は、その文吉の表情である。

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第485夜:こちらは習作(鈴木征一)

Seiichi_s51_kao 前回の大沼正人と一緒に入手した18本こけしの中に、鈴木征一のこけしが入っていた。ヤフオクの出品写真の中に、この征一こけしの胴底の写真が載っており、そこには「51.8.2 鈴木征一 練習中のもの」とある。征一は昭和47年5月から、奥山庫治について木地修業、5年間木地下を挽いて昭和52年5月に独立、昭和53年頃より自身のこけしを世に出したとある。(kokeshi wikiより)。征一の初期のこけしとしては、千夜一夜(1)の第888夜に昭和52年7月の作を掲載している。どの時点のこけしを征一の「初作」とするかは定かではないが、独立した52年5月とするのは一つの考え方であろう。それ以前の主に木地下を挽いていた頃にも練習でこけしは作っていたであろうし、そんな中の1本が今回のこけしと言えるだろう。練習中の作ということで「習作」とした。「初作」は一応作品としては完成品であるが、「習作」は未だ完成品とは言えないので、「初作」とはまた違った観点から見なければいけないのだろう。

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第474夜:ビスクドールの微笑(佐藤巳之助)

Mino_s14_futome_kao2 今日の東京の新型コロナ感染者数は95人と久し振りの2桁台となった。慣れとは恐ろしいもので、緊急事態宣言が出されて自粛していたころは10人単位の増減で一喜一憂していたのに、今では2桁と言うだけで実際には100人近いというのに、随分と減った気がしてしまう。トランプ米大統領は未だ日に万単位の新規感染者が出ているのに、もう新型コロナに勝ったようだと吹聴しているようだ。さて、ヤフオクに見慣れないが興味を惹かれるこけしが出た場合、先ずはkokeshi wikiを開いて検索する。そこで全てが分る訳ではないが、入札に参加するかどうかの参考になる。数日前に出品されたこけしは佐藤巳之助(昭和14年)となっていたが、戦前の巳之助として国恵は認識していないものであった。wikiを検索すると殆ど同手のものが載っており、安心して入札に臨むことが出来た。そうして入手した巳之助のこけしを紹介する。口絵写真はその表情である。なお、手元に届いてからwikiの写真と詳細に比べたところ、同一のものと思われる。

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第413夜:迫力の伊之助こけし

Inosuke_gokubi_kao 最近では古品こけしはヤフオクに出ることが多く、どんなものが出てくるかは楽しみである。しかし古品は価格も相応のものであり、入手には十分な吟味も必要となってくる。さて、肘折系の斎藤伊之助のこけしは多くは残っていないようだ。国恵志堂もなかなか入手する機会に恵まれなかったが、3年程前にようやく手にすることが出来、それ1本で十分満足していた。ところが、1月末に締め切りを迎えたヤフオクに保存状態のとても良い伊之助が出ていた。その伊之助は手持ちの伊之助と比べて眉・目に迫力があり、思わず惹き込まれてしまった。久し振りに何としても欲しいという欲求に駆られ、当然のように値が上がる中、費用の算段をして何とか入手することが出来た。今夜はそのこけしを以前からある伊之助と並べて紹介したい。口絵写真は、その表情である。

 

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第400夜:佐藤誠次のこけし(2)

Seiji_s19_kao 今年も残り半月というところで400夜に達した。更新のペースは鈍っているが、今は続けることが大事と思っている。さて、先日、ヤフオクで佐藤誠次のこけしを入手した。荒川洋一の亥一型などと4本セットの中に入っていた。誠次のこけしも多くは無く、珍しいこけしの部類に入るであろう。ちょうど1年前の12月のヤフオクで入手した10本セットの中にも誠次(戦前作)が入っており、今回改めて並べて比較してみた。誠次のこけしに関しては、戦後作を千夜一夜(1)の第342夜で紹介しているが、今回の2本はそれとは趣が異なるものであった。口絵写真は戦前誠次の表情である。

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第384夜:友の会旅行(R元)2日目

1910ryokokai_wakabaya 友の会旅行の2日目、予報の雨は朝には上がり、日差しも差し込む中、朝食前に酒田の朝市と山居倉庫の散策から始まった。朝食後、本日の最初の訪問地は市内の「土門拳記念館」、ここでは「古寺巡礼」の名作セレクションが展示されていた。次いで肘折温泉に向かう途中、白糸の滝ドライブインで休憩、対岸に架かる白糸の滝を眺める。やがてバスは大蔵村に入り肘折温泉に到着。昼食はそば処「寿屋」で手打ち蕎麦と名物の「ざぶとん(焼き油揚げ)」に舌鼓…。食後は温泉街を散策しながら鈴木征一工人宅へ。こけしと語らいを楽しんだ後、最後の目的地、新庄市の小林繁男工人宅へ。沢山のこけしや玩具の他、美味しい芋煮までご馳走になり、名残惜しい中、解散場所の新庄駅に向かった。口絵写真は若葉旅館の入り口に置かれている水鉢。

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第383夜:友の会旅行(R元)第1日目

1910ryokokai_ribon 令和になって最初の東京こけし友の会の旅行会が10月5(土)、6(日)の二日間で行われた。今回の目的地は山形県で日本海沿いのあつみ温泉から鶴岡、酒田と北上して一泊、翌日は山間部の肘折から新庄に向かうコースであった。訪問する工人さんは、阿部進矢さん、五十嵐嘉行さん、鈴木征一さん、小林繁男さんであり、併せて、クラゲで有名な加茂水族館、酒田の山居倉庫、土門拳記念館などの名所も見学する盛り沢山の内容であった。そのためか、参加者は女性9名、男性11名の計20名となり、中型の観光バスを2日間チャーターした賑やかで楽しい旅となった。参加者の胸には稲田瑛乃さん(五十嵐さんの弟子)作成の愛らしいリボンこけしが飾られて旅行気分を一層盛り上げていた。さて、今回はその1日目の紹介。口絵写真は筆者が頂いたリボンこけしである。

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