鳴子系

第464夜:甚四郎こけしとの縁・・・

Jinshiro_s17_kao 自粛一斉解除後、徐々にコロナの新規感染者が増えていた東京で、遂に一日100人を超えた。友の会の7月例会は参加者数を制限しての開催で準備が進んでいるが、より一層気を引き締めなければならないだろう。さて、もう10年以上も前になるが、こけし店「あおぞら」が新橋にあった頃、店主よりお誘いがあって店に顔を出すと、保存の良い鳴子のこけしがあった。大沼甚四郎の戦前のこけしだと言う。今作ったのかと思われる綺麗さに逆に古品らしさを感じられず、その時は購入を見送ってしまい、その後甚四郎こけしとは縁遠くなってしまった。先日、「甚四郎のこけしは要りませんか?」というお話があり、そのこけしは保存が良く、胴底に「陸奥売店」の印があるとのこと。そこで、こけし手帖のバックナンバーを探してみると、第496号(平成14年5月)に、友の会の柴田長吉郎・元会長が「陸奥売店のこけし・大沼甚四郎」という記事を書かれているのが見つかった。そこには陸奥売店の甚四郎の写真(白黒)も載っており、それを脳裏に刻んで、今回の甚四郎こけしを見せて頂いた。今夜は、そのこけしを紹介したい。口絵写真は、その表情である。

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★高橋正吾さん逝去(再)★

コロナ禍で産地訪問もままならない中、悲しい知らせが入ったきた。鳴子の最長老、高橋正吾さんが昨20日20時24分に亡くなられてしまった。ここ暫くはコロナのために連絡もしていなかったが、5月頃から体調を崩して2週間ほど入院をされていたとのこと。詳細は未だ分からない。正吾さんには懇意にして頂き、ここ数年は年に数回、鳴子に行くたびに訪問して色々とお話を伺い、こけしも沢山作って頂いた。最後の訪問は昨年の12月、90歳を迎える直前であった。その時お願いして作って頂いたこけし(90歳最初の作)が直接入手した最後となってしまった。正吾さんは高齢にもかかわらず、頭脳明晰で昔のお話を伺うのが何よりの楽しみであった。同級生であった遊佐福寿さんのブログ「福寿物語」を始めて、これから正吾さんに福寿さんとの昔話も聞きたいと思っていた矢先でもあった。只々、残念の一言である。また一人、こけし界の巨星が旅立ってしまった。今はただ、正吾さんのご冥福をお祈りするのみである。

◆正吾さんのご家族のご要望で、本日の葬儀終了まで、掲載を一旦取りやめていました。

第459夜:大弘さんの民之助写し(2)

Tomohiro_tami_free_kao 国恵がある古品の写しを作って貰う時には、もちろん出来るだけ「原」こけしに忠実に作って貰うのだが、それとは別に「原」をモチーフにして工人の創意工夫で「原」をアレンジしたものをお願いすることもある。これは誰にでもという訳ではないが、大弘さんは前回の庸吉の時にも面白いものを作ってくれたので、今回もお願いすることにした。一つは、民之助の「目」を変えて貰うこと。民之助のこけしには一般的な一側目の他に、一筆目や二側目もあるので、それを描いて貰った。もう1つは胴模様を自由に描いて貰うこと(自由型)。今夜は、そうして作られた民之助自由型を紹介しよう。口絵写真は、自由型をやや上方から見た表情である。

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第458夜:大弘さんの民之助写し

Tomohiro_tami_kaede_yokokao_20200525182001 今日の東京のコロナ新規感染者は8人となり、ようやく関東一都三県と北海道の緊急事態宣言も解除されることになった。だからと言って急に自粛体制が無くなる訳でもなく、コロナ禍以前の生活への復帰は難しいが、それでもヤレヤレ一段落といった明るい気持ちにはなる。さて、鳴子の松田大弘さんにお願いしていた戦前民之助の写しが送られてきた。大弘さんは未だ高々3年ほどの製作歴であるが、進境著しく魅力溢れるこけしを作っている。前回(第401夜)は庸吉型を作って貰ったが、庸吉の「はかなげで恥じらいのある愛らしさ」とは全く対照的な民之助の「キョトンとあどけない愛らしさ」を見事に再現してくれた。今夜は、その民之助写しを紹介したい。口絵写真は、やや斜め上から見た民之助写しの表情である。

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第451夜:大沼俊春の甚四郎型

Toshiharu_jinshiro_kao 昨夜は桜井昭二の甚四郎型を紹介したが、甚四郎型は他にも昭二の弟の佐藤実(第694夜)や新型こけし作者の石原日出男(第107夜:描彩のみ)も精力的に作っている。更には、甚四郎の養子の俊春も作っている。ただ、俊春の甚四郎型は、国恵が収集を始めた昭和40年代後半以降では模様の様式化が進んで新型こけし風になっており、伝統こけしの古風な面影とは程遠いものとなっていた。そのため甚四郎型は好きだったが、俊春の作品はコレクションの中には無かった。その後、ネットを中心にこけしの中古品市場が盛んになり、ようやく俊春の甚四郎型旧作を入手することができた。今夜はそのこけしを紹介したい。口絵写真はその表情である。

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第450夜:欲しいと思わせるこけし(昭二さんの甚四郎型)

Syoji_jinshiro_kao 昨日でGWも終わり、緊急事態宣言も終了する予定であったが、コロナ感染の減少はそこまで至らず、今月末までの延長となった。まだまだ我慢と忍耐の自粛生活が続く…。さて、鳴子の桜井昭二さんと言えば、大沼岩蔵こけし継承の第一人者として誰しもが認める著名工人であるが、岩蔵型以外にも庄司永吉型を始め父母の万之丞・コウ型ほか各種のこけしを作っている。伯父である甚四郎の型もその一つである。甚四郎のこけしは、鳴子時代、北海道(洞爺湖)時代のものが残っているがその数は少なく、昭二さんが作る甚四郎型も他の型のこけしに比べると多くはない。国恵もこれまで昭二さんの甚四郎型を何本か所有したが1本を残すのみとなっていた。そんな中、ヤフオクで久しぶりに欲しいと思う甚四郎型に出会った。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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第449夜:秀雄さんの最初期こけし

Hideoo_s34hajime_kao 先日のヤフオクにあどけない表情が何とも気になるこけしが出ていた。鳴子の大沼秀雄さんのこけしである。秀雄さんは今年2月で90歳となった。こけし作りは辞めているが、鳴子では高橋正吾さんに次いでの長老であり、昔の話も色々聞けるので有難い。「こけし 美と系譜」掲載の秀雄さんのこけしは初期のものであり、それが国恵のこけし収集の原点の一つであることは度々述べてきたことである。そのため、初期秀雄こけしは常に注目して追及してきた。先日のヤフオクにはその秀雄さんの初期こけしが2点(1点はひやね出品で締め切りは後ろ)出ていた。2点とも初期こけしの範疇に入るものであるが、国恵が目を付けていたのは「最初期」のもので、こちらは締め切り日が早かった。ひやね出品作は最初期よりは少し後のもの。両者の違いについても解説しよう。口絵写真は今回入手の最初期秀雄こけしの表情である。

 

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第447夜:雰囲気の異なるこけし(遊佐福寿)

Fukujyu_hira_kitume_kao先日ヤフオクを見ていたら、「おっ!」と目を引いたこけしがあった。一瞬誰のこけしかなと思ったが遊佐福寿のこけしであった。福寿さんのこけしは我が国恵志堂コレクションの原点、全てとは言わないもののその殆どは見てきたと思っていた。伝統こけしの工人は、自分が引き継いできたこけしを長いこと作っている訳だが、自分なりに色々と考えたり収集家などから言われたりして、木地形態や描彩をちょっと変えてみることは間々あるようだ。福寿さんは常日頃そのような姿勢でこけし作りに励んでおり、本作もそんな思いから出来上がったものなのだろう。今夜はそんな福寿こけしを紹介したい。口絵写真は、その表情をやや斜め上から見たものである。

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第440夜:高橋正子のこけし

Masakot_h7_kao 最近は殆ど家に籠りっぱなしで、必然的にヤフオクを覗く機会が多くなっている。先日も出品作を眺めていると、3本纏めて出品されている中にキリっとした表情のなかなか良い鳴子こけしがこちらを見ていた。工人名は高橋正子となったいた。昨夜紹介の高橋盛の長女である松子の長女、盛の孫娘ということになる。義一さんのお姉さんである。「高勘」ラブの国恵であるが、正子さんのこけしについては殆ど記憶になかった。kokeshi wikiやガイドブックで調べてみると、正子さんは昭和20年の生まれということで、盛一家が秋田に居た時の誕生であった。一家は23年に鳴子に帰り、正子さんは40年に伯父盛雄さんの弟子である高橋輝行さんと結婚した。昭和54年頃からは輝行木地に描彩したこけしを作っている。口絵写真は今回に入手したこけしの表情である。

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第439夜:盛の謎の水引

Sakari_s28_kaoいよいよGWが始まる。しかし今年はコロナ禍で行楽は自粛だ。ひたすら「ステイホーム」に徹しよう! さて、先日のヤフオクに保存状態の良い高橋盛のこけしが出品されていた。「高勘」こけしには目の無い国恵なので当然チェックの対象であり、取りあえずウォッチリストに入れておいた。最初は戦後の状態の良いこけし程度に見ていたが、改めて出品写真の細部を見て「オッ! これは…」と目に留まった写真があった。それは盛こけしをほぼ真上から写したものであった。頭頂部と言えば前髪を束ねて後ろに垂らした紡錘形の黒髪と赤い水引が描かれているのだが、その水引がいつもの盛の水引とは違っていたのである。盛の水引は前髪を束ねた部分から、左右に5筆ずつ放射状に描かれるのだが、この出品作ではその5筆の内の真ん中が大きくくねっているのである。盛のくねった水引は大正期のこけしに見られる大きな特徴である。それが何故戦後のこけしに描かれているのか…。これは手元で見てみなくてはと思い、頑張って入手した次第である。口絵写真は、その盛こけしの表情である。

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