鳴子系

第277夜:秀顯さんの岩太郎型

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鳴子の大沼秀顯さんは還暦を迎えてから大沼家の古作こけしの復元に力を入れている。大沼家の祖である岩太郎のこけしと言われているもの(伝岩太郎)はこれまで4種知られていた。秀顯さんが先ず手掛けたのは、その中で木地竹雄と言われている元村勲教授蔵の4本で、最も大きいものから初めて今年になって4本全てを作り上げた。今年になってからは残る3種を大阪こけし教室の依頼で復元していた。17日に「ねぎし」に行った折、その3本が出品されており入手したので紹介しようと思う。口絵写真は、川口コレクション所蔵の伝岩太郎写しの表情である。

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第275夜:第7回下谷こけしまつり

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今年も6/15(金)から今日17日(日)まで、東京鶯谷の挽物玩具「ねぎし」で下谷こけしまつりが開催された。初日の午後に出掛けるのが恒例となっているが、今回は腰痛と天候の影響で今日になってしまった。昼前に会場に着くと、外人の親子連れ等数人の客が訪れていたが、暫く前までは殆ど客がおらず、工人達も手持無沙汰の様子であった。実演に上京した工人は、大沼秀顯、新山吉紀、新山真由美、阿部国敏、平賀輝幸の5名で、他に本間直子さんが作品だけの参加であったそうだが、作品は既に完売であった。口絵写真は展示作品の群像である。

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第274夜:こけし談話会in鳴子

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平成30年度第1回のこけし談話会が6月2日(土)の午後、鳴子温泉で開催された。年4回開催されるこけし談話会は東京開催では工人の参加が難しく、昨年から1回は地方(現地)で開催するようになり、今年は現地開催の2回目である。会場は鳴子ホテルの会議室、工人9人を含めて25名が参加し、鳴子系の多くの古品も集まり、大変有意義な談話会となった。夜間には懇親会も開催されて、楽しい集まりとなった。口絵写真は、集まったこけしの群像の一部。

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第271夜:「是伸頒布会」第6回裏話

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第6回頒布こけしは、橘頒布期の定寸こけしを「原」としてその写しを是伸さんに作って貰った。その「原」こけしとしては当初、橘旧蔵のこけし(「こけし談叢」掲載の8寸7分)を考えていたが、それは保存状態がかなり悪く、描彩もはっきりしていなかった。そんな折、たまたま「愛玩鼓楽」掲載の盛こけし(7寸8分)を入手する機会があり、このこけしは橘頒布の鈴木鼓堂旧蔵品であることから、こちらを「原」として作ってもらうことにした。口絵写真は、そうして出来上がった頒布品の表情である。

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第270夜:「是伸頒布会」第5回裏話

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柿澤是伸さんから「是伸頒布会」の第5回、6回の作品が送られてきた。今回の頒布に関しては、一昨年(平成28年)の3月に是伸さんが「宮城の観光と物産展」出展で千葉そごうに来られた折に話をしたものであった。しかし同年6月に是隆さんが急逝され、頒布品の製作も遅れることになった。昨年7月に是伸さんから試作品が出来たとの連絡があり、それから電話とメールでのやり取りで修正箇所などを連絡し、今年3月の千葉そごうで作品を確認した。ここで最終的な細かい点の確認を行い、今回の頒布となった次第である。口絵写真は、第5回頒布の4寸たちこの表情である。

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第269夜:伊豆定雄(その2)と堂ヶ島

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ここのところ更新が滞ってしまい久し振りの掲載である。平成もあと1年を切り昭和の名残を惜しむかのように有名歌手・俳優の逝去が続いている。この1週間だけでも、西城秀樹、星由里子、朝丘雪路が亡くなった。2回の脳梗塞から復帰して頑張っていた秀樹!追悼番番組で流されるその歌声・声量は素晴らしく他の追従を許さない。YMCAやヤングマン、ローラなど著名な曲がきら星のように輝くが、筆者はブルースカイブルーが一番好きである。それにしても63歳は早過ぎる。さて、先週の11日~13日まで西伊豆堂ヶ島に行って来た。それにちなんで今夜は先日ヤフオクで入手した伊豆定雄のこけしを紹介しよう。定雄の残るこけしでは昭和3年から13年までの約10年のものが知られており、昭和4,5年のものは千夜一夜(1)の第999夜で紹介した。口絵写真は今回の定雄の表情である。

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第267夜:幻の岩太郎(3)

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国恵志堂の鳴子古作は、高橋五郎氏の見立てでは明治期の「岩蔵旧作」ということになったが、勿論それで決定という訳ではなく、岩蔵以外の可能性も考えられなくはない。その1は、木地は二人挽きではないかという指摘(高橋正吾氏)。岩蔵は16歳(明治24年)から一人挽きロクロに上がったと言われているが、岩太郎は終生二人挽きだったという。岩蔵が師匠の木地に描彩したとは考えられないから、二人挽きなら岩太郎の可能性が強い。その2は、筆の使い方が岩蔵とは異なるという指摘(橋本正明氏)。岩蔵の筆は真ん中で力を入れ、それから力を抜いて引く描法であるが、この鳴子古作では力の強弱は感じられないという。そして、その3が胴の石竹模様である。

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第266夜:幻の岩太郎(2)

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仙臺こけし洞の高橋五郎氏には昨年末にこの鳴子古作こけしの写真を送付して作者に関する検討を依頼していた。その返事から、五郎氏は作者を特定したことが分かったが、それが誰かは実際に現物を見てからということになっていた。私としても、鳴子系古作4本の内の1本が気になっており、それと実際に見比べてみたいと思っていた。そうして、第264夜のこけし探求の旅になったのである。五郎氏に会った後には鳴子にも足を運び、長老である大沼秀雄さんと高橋正吾さんにも意見を聞きたいと思っていた。口絵写真は鳴子古作こけしの横顔である。

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第264夜:幻の岩太郎(1)

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昨年の12月10日(日)の夜、いつものようにパソコンでヤフオクを見ていると、鳴子の古風なこけしが出品されていた。古いように思えるが、色彩は完璧に残っており保存状態は頗る良い。鳴子好きの国恵(筆者)はたちまちこの古雅な趣のこけしに心を奪われた。一体誰の作であろうか。肩に1本の太い鉋溝とその上に描かれた大きな赤点(投げ筆)の様式は庄司永吉を思わせる。頭頂部の平らな蕪頭は岩蔵風。胴模様は何であろうか。竹雄が得意とした石竹の原型ではないだろうか。そんな特徴を思い巡らすと一人の工人名が頭に浮かんだ。庄司永吉、大沼岩蔵、大沼竹雄の共通の師匠にあたる大沼岩太郎である。絶妙な木地形態、大胆な描彩の胴模様、古雅な表情は、小物挽きの名人と言われた岩太郎ならきっとこんなこけしを作ったのではないかと想像される。そう思い始めると心のワクワク感は一気に高まり、何としてでも手元で現物を見てみたいという欲求にかられてしまったのである。口絵写真は、その鳴子古作こけしの表情である。

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第263夜:こけし探求の旅

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4月12日から13日に1泊2日で仙台・鳴子に行ってきた。昨年末に入手した鳴子の古作こけしに関する調査の旅である。12日の東京は夏日の暑さで仙台でも桜前線は散り始めになっていたが、陸羽東線を内陸に行くに従って、桜は満開から咲き初めとなり、13日の鳴子は風が相当に冷たく、室内では暖房を使うような状態であった。12日は、仙台の仙臺こけし洞(高橋五郎氏宅)を訪ね、仙台に一泊して翌13日は鳴子を巡ってきた。口絵写真は、高橋正吾さんに頼んでおいた寅蔵写しの表情である。調査結果については次回・・・。

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