鳴子系

第615夜:久し振りの是伸展

Yoshinobuten2023_kesano_kao 昨27日は、千葉そごうで開催されている是伸展に行ってきた。この時期、そごうでは毎年「宮城の観光と物産展」を開催しており、鳴子の柿澤是伸さんが常連として参加していた。しかし、新型コロナ感染の拡大により、ここ3年は出展を見合わせていた。今回も当初は不参加とのことであったが、コロナ感染の減少とそごうからの強い要請もあって直前に出展を決めたと言う。23日から30日までの開催ということで、出展されていたこけしはかなり減っていたが、新作のけさの型も若干残っており、久し振りのこけしイベントを楽しんできた。口絵写真はけさの型の表情である。

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第614夜:松一さんの初期(戦中)こけし

Matu1_s19_kao 父である伊藤松三郎を継いで、戦後の鳴子こけしの中心工人のひとりとして活躍した松一さんの初期のこけしについては殆ど知られていないのではないだろうか。先日ヤフオクに気になるこけしが出品された。一見では誰のこけしか分からなかったが、「松一」という署名と「19.2」の書き込みがある。手元で調べてみたいと思い、参戦して入手することができた。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は表情である。

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第611夜:柿崎さんの鳴子型

Kakizaki_naruko8_kao 中ノ沢の柿崎文雄さんは蛸坊主の会の代表として、人気の中ノ沢こけしを支えている。齢70台の半ばになるが精力的にこけしを作っているので知っている人は多いであろう。しかし、その柿崎さんが最初は鳴子の「高亀」で修業し、鳴子系のこけしを作っていたことは意外と知られていないかも知れない。「高亀」のこけしを調べていけば出てくる工人ではある。鳴子系こけしの製作は昭和42年~45年頃までで、中古市場でもめったにお目にかからない。先月その柿崎さんの鳴子型がヤフオクに出たので入手した。今夜はそのこけしの紹介である。

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第605夜:松三郎の美人こけし

Matusaburo_s30dai_kao 筆者がこけし蒐集を始めた昭和40年代の末頃は第二次こけしブームの最中で、老工や人気工人のこけしは入手難になっていた。鳴子系では大沼健三郎と伊藤松三郎が「両三郎」などと呼ばれて人気絶頂であった。その1本のこけしを求めて長蛇の列が出来、それでも抽選などによって限られた者しか入手は出来なかった。今思うと正に「こけしバブル」といった状況だったのである。先日、松三郎の見慣れた作とは異なる表情のこけしがヤフオクに出て、入手することができたので紹介したい。

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第603夜:正子さんの勘治型こけし

Masakot_kanji_kao 鳴子の高橋正子さんから年賀状を頂いた。正子さんは高橋盛さんの孫、義一さんのお姉さんであり、輝行さんの奥さんでもある。「高勘」のこけしの描彩も手掛けており、「高勘」の血縁工人である。『「高勘」本家と義一こけし』という本を作ってお送りしたことからお話をするようになった。和紙の用紙に自筆のこけし絵を描いた賀状は今では珍しく貴重なものなので紹介することにした。また、勘治型のこけしも送って頂けたので、併せて紹介したい。

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★大沼秀雄さん逝去★

年が明けて間もない今日5日、こけし界には辛いニュースが入ってきた。鳴子の長老大沼秀雄さんが、今日の午前1時58分に亡くなられてしまった。行年94歳ということでした。秀雄さんは言わずと知れた鳴子系の本流、大沼岩太郎の直系で戦後の第二次こけしブームを牽引して活躍した中心工人。80歳台の中頃からはこけしの製作を中止していましたが、昔話を聞ける貴重な工人でした。筆者は鳴子を訪れる度に、秀雄さん、正吾さんのお宅を訪ねるのが恒例となっており、何よりの楽しみでもありました。遊佐福寿さんを入れた正吾・秀雄・福寿の三人組は同級生ということもあって仲が良く、それぞれに特徴のあるこけしを作っていました。この三人とのお付き合いは私のこけし蒐集の中核であり、大いなる楽しみでした。その最後の一人であった秀雄さんも遂に逝かれてしまった。ただただ寂しいことである。秀雄さんのご冥福をお祈りいたします。

第601夜:2023年明け

Fukujyu_nkanji_kao 明けましておめでとうございます!

2023年が明けた。大晦日の昨日は曇り空で初日の出が心配されたが、今日は年明けに相応しい晴天。日が差す前に西方に聳える富士山が紅色に染まり始め、そして待望の初日の出、マンションの彼方から今年最初の光が輝いた。まだ続くコロナ禍にウクライナ戦争、諸物価の高騰など悲観的な昨年を覆す明るい一年になって貰いたいものである。さて、今年最初に紹介するこけし、昨年最後にヤフオクで入手したこけしである。

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第599夜:福寿の新型えじこ

Fukujyu_new_ejiko 今年も残り一週間を切り、2023年が間近に迫ってきた。こけし手帖12月号(743号)に「福寿のこけし」を掲載したところ、福寿好きのM氏より、福寿の珍しいこけしを見せて頂いた。福寿作品は新型も含めて目ぼしい物は集めている筆者にとっても初見のものであり、この機会に本ブログで紹介させて頂くことにした。口絵写真がそのえじこである。

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第598夜:宣直さんの復活こけしとその後

Yoshinao_r3_fuukatu_kao 11月に行われた「第41回みちのくこけしまつり」で鳴子の髙橋宣直さんが官公庁長官賞を受賞した。「高亀」の伝統を受け継ぐ宣直さんが事情があってこけし作りから離れたのは平成17年9月のこと。多くのこけし愛好家が残念に思ったものである。父正吾さんの逝去(平成2年6月)に宣直さんもこけし作りの再開を決意したのであろう。大阪こけし教室の中根会長のご尽力もあって、令和3年4月、宣直さんの復活こけし(3月作)が大阪こけし教室から頒布された。先日、それ以降の作も含めて、中根会長からお譲り頂いたので紹介させていただく。口絵写真は復活初作こけしの表情である。

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第590夜:義一さんの盛写し(3)

Yoshikazu_akitasakari_kao 11月に入り今年もあと2か月となった。ようやく収束かと見えたコロナはまた盛り返しつつあるようだ。ここのところ新たに入手するこけしはめっきり減り、本ブログに掲載する話題も減ってしまった。本ブログの書籍化を進める中で、未掲載のこけしも出てきたので、紹介したいと思う。千夜一夜(1)の第15夜で高橋義一さんの盛写しを紹介したが、そこで触れていた秋田時代の盛こけしの写しである。義一さんにお願いした最初の写しであり、その出来の良さに驚き、以後義一さんには沢山の写しをお願いすることになった。口絵写真はその写しの第2作であり、最も肉薄した作品である。

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