古品

第480夜:そして秋保こけしは・・・

Syo7_4sun_kao 胴上下に2本の太い緑のロクロ線を締め、頭には満艦飾を思わせる赤の細かい手絡模様を華麗に配した秋保のこけしは、こけし界随一の美人こけしとして輝きを放っていた。そんなこけしに憧れて秋保工芸の里を訪れたのは平成24年の7月、照りつける太陽が眩しい季節であった(第740夜)。こけしの名門菅原家は既に無く、山尾家も事前の問い合わせにこけしは作っていないということであった。秋保こけしとしては唯一残っていた佐藤円夫さんを訪ねた。お父さんである武雄さんの古いこけしを見てもらうためであった。佐藤三蔵ー武雄ー円夫と続いている佐藤家の秋保こけしも、今作られているものは現代風にアレンジされており昔日の面影は遥か彼方に行ってしまったようであった。その円夫さんも平成29年に亡くなり、今は息子の武直さんが後を継いでいるのであろうか。さて、先日ヤフオクで入手したのは菅原庄七の4寸こけし。小寸のこけしでありながら、その存在感は半端ではない。口絵写真は庄七小寸こけしの表情である。

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第479夜:秋山忠こけしの行方は…

Cyu_5sun_kao 久し振りの更新になってしまった。例年なら、こけし関係のイベントが目白押しとなる時期であるが、コロナ禍が未だ鎮静化しない現在、開催は難しいのであろう。開催に意欲的であった「みちのくこけしまつり」は中止が決まったようである。唯一の楽しみでもあるヤフオクもここの所、ワクワクするような出品は見られない。そこで、以前入手したものの未だ本ブログで紹介していないこけしを探してみた。今夜は秋山忠のこけしである。2年ほど前、正吾さんに慶一郎写しのお願いをした時に、忠こけしは作らないかと聞いてみた。正吾さんは即座に孫の忠男さんが居るのだから忠男さんに頼んだらどうかとやんわり断られた。正吾さんが作るのはあくまで後継者が居なくなったこけしということであった。口絵写真は忠こけしの表情である。

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第478夜:秋保の三姉妹(武治)

Takeji_mame_3hon いよいよ菅さんが総理となって日本の舵取りを行うことになった。自民4役や新内閣の顔ぶれを見ると、サプライズ的なものは見られず、安部さんを引き継いで菅さんらしい堅実な布陣と思われる。今回の内閣は長くて1年の暫定的なもので、菅さんが本領を発揮するのは総選挙を経て本格的な内閣になってからであろう。ところで、今ヤフオクでの話題は、将棋の藤井二冠が王位を獲得した第61期王位戦の封じ手3通に尽きるだろう。締め切りまであと4日を残した今時点で、第4局は2千万、第2局は1千万、第3局でも5百万を超えている。最終的には幾らまで上がるのか気になるところである。そのヤフオクで、先日こけしの出品を眺めていると、締め切り10分前に秋保の豆こけし3本セットを発見した。それまで全然気づかずにいたものである。以前、同じ秋保の庄七の豆こけし3本セット(第48夜)を入手しており、今回のものにも手が伸びた。最終的な競り合いに何とか勝って無事落札。今夜はそのこけしを紹介しよう。

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第474夜:ビスクドールの微笑(佐藤巳之助)

Mino_s14_futome_kao2 今日の東京の新型コロナ感染者数は95人と久し振りの2桁台となった。慣れとは恐ろしいもので、緊急事態宣言が出されて自粛していたころは10人単位の増減で一喜一憂していたのに、今では2桁と言うだけで実際には100人近いというのに、随分と減った気がしてしまう。トランプ米大統領は未だ日に万単位の新規感染者が出ているのに、もう新型コロナに勝ったようだと吹聴しているようだ。さて、ヤフオクに見慣れないが興味を惹かれるこけしが出た場合、先ずはkokeshi wikiを開いて検索する。そこで全てが分る訳ではないが、入札に参加するかどうかの参考になる。数日前に出品されたこけしは佐藤巳之助(昭和14年)となっていたが、戦前の巳之助として国恵は認識していないものであった。wikiを検索すると殆ど同手のものが載っており、安心して入札に臨むことが出来た。そうして入手した巳之助のこけしを紹介する。口絵写真はその表情である。なお、手元に届いてからwikiの写真と詳細に比べたところ、同一のものと思われる。

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第473夜:もんぺこけし(阿部常吉?)

Abetune_monpe_kao もんぺこけしは純粋な伝統こけしではないかも知れないが、いかにも時代性を表しているようで好きなこけしである。もんぺこけしは今でも作られることはあるだろうが、もんぺと言えば戦前(特に戦中)の女性のはき物という意識が強く、やはり戦前のこけしが対象となる。先月末のヤフオクに戦前のもんぺこけしが出品されたので頑張って入手した。阿部常吉作として出品されていたものであるが、一側目の面描は常吉こけしでは見たことが無く、手元に届いてからも文献等を調べたが常吉こけしで同様の描彩のものは見つからなかった。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は、一側目の表情である。

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《追悼》大沼誓こけし

昨11日の午後6時頃、鳴子の大沼秀則さん宅で火災が発生し、母屋と工房を全焼した。秀則さんや他の方には怪我はなかったことは不幸中の幸いだった。国恵は、昨年、大沼誓のこけし(第336夜、wikiにも掲載)を秀則さんに預けて、その復元を依頼中であったが、この誓こけしは残念ながら火災の犠牲になってしまった。誓こけしの中でも最も気に入っていたものでようやく入手できたものだったので、残念な気持ちは溢れるばかりだが、これは仕方のないことと自分に言い聞かせている。秀則さんが一段落してまたこけしが作れるようになったら、写真をもとにぜひこのこけしを作って貰いたいと考えている。それがこの誓こけしへの追悼になるのだと思っている。

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こちらは、昨年の12月20日に誓こけしを持って行って秀則さんと作業場で記念撮影をしたもの。この写真の場所も燃えてしまったのである。

第472夜:美品の吉太郎

Kititaro_s15_kao 小林吉太郎のこけしは好きなこけしの内の1つである。こけしの文献を読んでその魅力に取りつかれ、ヤフオク等の古品市場で入手を試みた。同じ古品でもより古いものほど良作が多く、それらは当然それなりの価格が付き、入手を困難にしていた。数年前にヤフオクに出た正末昭和の美品の中にも吉太郎があったが、小品ものにも拘わらず相当の高値になっていた。吉太郎こけしの中で特に印象に残っているものがある。小林清次郎の復元でも有名になった都築コレクションの吉太郎(尺7分)である。小頭で胴が長く、桐材に赤と黄緑色で描かれた胴模様が印象的なこけしである。先日ヤフオクに出品された吉太郎は、先ずその保存の良さに目を奪われたが、その形態と描彩が都築コレクションの吉太郎を彷彿させるものであった。そのこけしを入手したい気持ちが一気に高まり5人による争奪戦を制して、コレクションに加えることが出来たのはラッキーだった。今夜はその吉太郎を紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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第470夜:秀顯さんの竹雄古作写し

Hideaki_takeo5sun_utushi_kaoue 8月になり梅雨も明けてコロナ禍の中、猛暑も加わって厳しい自粛生活が続いている。こけしのイベントも無く、産地にも行けず、大沼秀顯さんには名古屋こけし会頒布の参考のための岩太郎と竹雄の古作3本を預けておいた。今回名古屋の頒布が終わったので、岩太郎が戻ってきた。また、預けておいた竹雄こけしの内、小寸物とその写しの試作が送られてきた。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は、その表情である。

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第467夜:末吉の円らな瞳

Suekiti_s15_kao 東京では連日200~300人の新型コロナ感染者が出ているのに、これといった有効な対策は講じられず、個々人による3密自粛に委ねられていることにもどかしさを感じる人は多いであろう。感染すると重症化が懸念される我々高齢者は、ひたすら自宅でコロナ禍を避けているしかない。本ブログの更新も日が空いてしまったが、気を取り直して頑張ろう! 花巻の佐藤末吉のこけしは結構好きなこけしの一つである。南部系の土地柄ということもあってか、形態にはキナキナの様式も取り入れられ、南部系と鳴子系の折衷こけしという雰囲気もある。末吉のこけしは目が大きいものが多いのだが、戦前の昭和15年頃の目は、その無垢で円らな瞳が何とも愛らしく、欲しいこけしであった。先日のヤフオクでそんな末吉を入手したので紹介したい。口絵写真はその表情である。

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第464夜:甚四郎こけしとの縁・・・

Jinshiro_s17_kao 自粛一斉解除後、徐々にコロナの新規感染者が増えていた東京で、遂に一日100人を超えた。友の会の7月例会は参加者数を制限しての開催で準備が進んでいるが、より一層気を引き締めなければならないだろう。さて、もう10年以上も前になるが、こけし店「あおぞら」が新橋にあった頃、店主よりお誘いがあって店に顔を出すと、保存の良い鳴子のこけしがあった。大沼甚四郎の戦前のこけしだと言う。今作ったのかと思われる綺麗さに逆に古品らしさを感じられず、その時は購入を見送ってしまい、その後甚四郎こけしとは縁遠くなってしまった。先日、「甚四郎のこけしは要りませんか?」というお話があり、そのこけしは保存が良く、胴底に「陸奥売店」の印があるとのこと。そこで、こけし手帖のバックナンバーを探してみると、第496号(平成14年5月)に、友の会の柴田長吉郎・元会長が「陸奥売店のこけし・大沼甚四郎」という記事を書かれているのが見つかった。そこには陸奥売店の甚四郎の写真(白黒)も載っており、それを脳裏に刻んで、今回の甚四郎こけしを見せて頂いた。今夜は、そのこけしを紹介したい。口絵写真は、その表情である。

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