古品

第297夜:こけし談話会(蔦作蔵・渡辺求)

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昨9日(日)は東京こけし友の会の「こけし談話会」があった。今回のテーマは「蔦作蔵・渡辺求のこけし」で参加者は14名であった。蔦作蔵は佐藤勘内の弟子、渡辺求は佐藤伝内の弟子となったが、木地技術は勘内・伝内の父である佐藤栄治に習ったと言う。求は大野栄治と共に戦後最も入手難の工人と言われ、一方の作蔵は変り型や木地玩具で有名であった。作蔵の古い本型のこけしはあまり目にしたことがなく、貴重な経験となった。入手難と言われた求こけしは初期の十日月目のものは無かったが、優品がかなりの数持ち寄られた。口絵写真は昭和初期の作蔵こけしの表情である。

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第294夜:忠蔵の目(千畳敷カール)

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台風20号が北に去り、また酷暑が戻って来た。ちょうど一週間前の18日には中央アルプスの千畳敷に向かうバスの中に居た。バスからロープウェイに乗り換える「しらび平」は2時間待ちの長蛇の行列になっており、帰りも同様のロープウェイ待ちのお陰で、千畳敷カールでの滞在時間が延びたのは有難かった。さて、鯨目で有名な高橋忠蔵の目は、戦前から戦後に移る中でかなり変化しているが、中でも昭和15年前後の目は気になる目であった。基本は二重の鯨目であるが、目の位置はほぼ水平で目尻が長く延びる。眼点は中央寄りで、藪睨み的な表情のものもある。この目の様式は忠蔵70歳の頃に復元される。愛好家からの要望が多かったのであろう。出来れば戦前ものが欲しいがなかなか出会わず、復元物で偲んでいる。口絵写真は70歳忠蔵の表情である。

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第292夜:辛口のこけし(治平)

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お盆の最中、今まで書き漏らしていたこけしを取り上げてみたいと思う。遠刈田系のこけしは特に力を入れて集めている訳でもないので、直助、松之進を始め、多くの代表的なこけしでもコレクションに無いものが多い。そんな遠刈田系こけしでもちょっとした巡り合わせて手元にやってくるものもある。今夜採り上げるこけしも纏めて入手した中にあった1本で、遠刈田系の中でも辛口のこけしと言われる佐藤治平のこけしである。口絵写真は治平こけしの表情である。

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第291夜:郷玩時代のこけし(小林清蔵)

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台風が行ったと思ったら、またあの酷暑のぶり返し…。高齢者の身には厳しい。室内に居ることが多いが熱中病には気を付けねば…。弥治郎の吉野稔弘さんが8/2に急逝されたとの訃報を聞いた。事情は良く分からないが、将来を期待された新人であったたけに残念である。ご冥福をお祈りする。暑さによる「億劫さ」に気を取り直して、本ブログの更新に励まねば・・・。今夜も玉峰コレクションのこけし(小林清蔵)である。山形系、小林家のこけしではやはり吉太郎に惹かれることが多く、清蔵のこけしはこれまで入手する機会に恵まれなかった。今回は纏めて入手した中に入っていたものであり、改めて清蔵こけしを調べてみた。口絵写真は清蔵こけしの表情である。

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第290夜:正吾さんの慶一郎写し(続き)

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昨夜は9寸5分の慶一郎写しを紹介したが、今夜はその他の3本を紹介しよう。原こけしは8寸、6寸、4寸5分で昭和15,6年の作と思われるもの。面描の筆致が細く、目が上がってきてねっとりとした如何にも慶一郎という雰囲気のこけしである。同じ慶一郎のこけしでも昨夜のものとは描彩にかなり変化があり、この辺りの違いをどう再現してくれるかが見所でもある。口絵写真は8寸写しの表情である。

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第289夜:正吾さんの慶一郎写し(友人追悼)

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燃えるような酷暑で迎えた8月、とんでもない事が起こった。退職後も毎月会って懇親を深めていた会社時代からの同僚の家で火災が発生し、家は全焼し彼とその義理の母が亡くなってしまったのである。その前日も深夜までメールのやりとりをしていたのに・・・である。ニュースで聞くような事がいとも近しいところで起こったことに言葉もなく無力感が広がる。友のご冥福をお祈りしたい。さて、高橋正吾さんにお願いしていた秋山慶一郎の写しが届いたので紹介しようと思う。尺、8寸、6寸、4寸5分の4本をお願いしたが、今夜は尺の写しである。口絵写真はその表情である。

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第287夜:郷玩時代のこけし(斎藤太治郎)

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土湯の斎藤太治郎のこけしは国恵志堂の蒐集開始から目指していたコレクション・アイテムの一つである。そのコレクションの歴史は弘道から入り、その弘道のピーク期のこけし、そして師匠の佐藤正一のこけし、そしてようやく太治郎に辿り着いたのは蒐集開始から数十年が経っていた。太治郎でも目指すのは評価の高い大正期のこけしであったが、それが我が手元にやってくるなど思いも寄らなかった。大正期の太治郎が市場に出ることなど殆ど無かったからである。それが3年前に須賀川の業者がヤフオクに出した古作こけしの中に3本の大正期太治郎があり、終に太治郎(しかも保存極美)を我が手元で愛でることができたのである。こけし界には、1本名物級のこけしが手に入ると、それに引き寄せられるように同種のこけしが集まってくるという言い伝えがある。今回の玉峰コレクションの太治郎は正にそれなのかも知れない。今夜はその太治郎を紹介しよう。口絵写真はその太治郎の表情である。

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第285夜:郷玩時代のこけし(小椋久四郎)

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もう50年に近づくこけし蒐集歴の中で古品に目を向けるようになったのはその三分の一位の年数ではないだろうか。鳴子ファーストを自認する国恵志堂として、鳴子の古品には力を入れてきたが、その分他系統の古品はおざなりになっている。最大の要因は資金繰りであり、それは致し方のないことで、古品コレクターなら一本はあるであろう久四郎も諦めていた。さて、今回の玉峰コレクションではひと目で久四郎こけしと思われたが、胴底の鉛筆書きでは久太郎となっており、現品を見るまでは期待と不安が入り混じっていた。今夜は、その久四郎こけしを見てみよう。口絵写真はその表情である。

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第284夜:郷玩時代のこけし(佐藤広喜)

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梅雨明けの天候は晴天が続くのが恒例であるが、毎日最高気温の記録を更新するような酷暑が続くと、もう何をするのも億劫で、ともするとダラダラと一日を過ごしてしまう。これではイカンと気力を奮い起こして本ブログを掲載している。さて、今夜は郷玩時代のこけし第2回として佐藤広喜のこけしを取り上げる。明治34年に松之進の弟子となった広喜は大正に入ると北岡工場の仕事を一手に引き受ける様になり、弟子の養成にも力を入れた。大正10年には自宅に木地工場を建て、北岡の仕事を続けた。広喜のこけしは「郷土玩具(東の部)」で北岡仙吉名で紹介されている。角張った大きな頭に、筆力鋭い面描を描いた快作である。今夜はその当時の広喜こけしを眺めてみよう。口絵写真は広喜こけしの表情である。

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第283夜:郷玩時代のこけし(高橋武蔵) 

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毎日うだるような酷暑が続き、「億劫」と戦っている高齢者はともするとぐったりしたまま日々を過ごしてしまうことになる。西日本の豪雨で被災された方々を想い、何とか気力を振り起して頑張らねばならない。さて、鳴子の高橋武蔵のこけしと言えば「温顔静姿」という言葉で代表されるように、端正で穏やかな表情のこけしが頭に浮かぶ。しかし、それは主に戦後のこけしに当てはまる言葉であって、戦前のこけしとは少し異なるようだ。戦前の武蔵こけしの特徴はむしろ下目にあるのではないかと思う。そして、それは幼子の表情を表現したものなのであろう。今夜は、内嶋玉峰旧蔵の武蔵こけしを例にして下目を見てみたいと思う。口絵写真はその武蔵こけしの表情である。

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