古品

第375夜:再会した小関幸雄のこけし(戦前)

Koseki_kodo_s14_kao 暑かったお盆も終わり、今日は風も北向きに変ってやや過ごし易い一日であった。先月末、ヤフオクに1本のこけしが出ていた。小関幸雄の戦前・竹井時代のこけしである。小関の戦前のこけしはその素朴さが気に入って注目していたが、3万円という最低価のせいか応札無しで終わっていた。国恵志堂には同種のこけしとして「こけし作者」掲載の橘旧蔵品があるのでそのままスルーした。ヤフオクのこけしは再出品となり、最低価は変らずに出て来た。気にはなっていたのでじっくりと見ていると、堂底に鼓堂印が押されてあり、それが鼓堂旧蔵品で有ることが分かった。鼓堂旧蔵の小関こけしは国恵志堂にも1本あったので、取り出してきて「愛玩鼓楽」の小関こけしを探してみると、何と手元にある小関こけしの横に写っているのが、今回出品されているこけしであった。それが分かると急に手元で並べて見たくなり、応札した。結局、他に応札者はなく出品価で落札した。「愛玩鼓楽」が発行された昭和60年には一緒にあったものが、その後鼓堂コレクションを離れてこけし界に出て行き、再び国恵志堂で再会したのである。今夜は、そのこけしを紹介したい。口絵写真はその表情である。

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第373夜:戦前の民之助こけし

Taminosuke_s15_kao 8月に入り、夏真っ盛りの酷暑が連日続いている。古稀目前の高齢者にはなかなか厳しい気候である。心臓と大腸の精密検査を終え、今月中旬には人間ドックで検査の総仕上げである。さて、鳴子の遊佐民之助のこけしについては、第181夜で紹介したが、ようやく真の戦前作を入手することができたので紹介しよう。民之助の戦前作には大正期から昭和初期のもの(第一期)と昭和15~18年の復活期のもの(第二期)が知られており、今回はその復活期のものである。口絵写真はその表情である。

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第369夜:梅吉こけしの魅力

Umekiti_s8_kao 梅雨真っただ中の天候の中、7月を迎えた。今年も半分が終わり、後半に入った訳である。国恵が梅吉こけしに興味を持ったのは、高橋金三の復元作を見てからである。良く筆の伸びたキリッとした表情、過剰とも思われるアクセントの付いた眉・目の描彩に惹きつけられた。藤井梅吉は「日本郷土玩具(東の部)」(昭和5年)で紹介されたが、昭和11年3月には亡くなっているので、その残るこけしも多くはない。古品市場に出てくるのも珍しく、数年前に楽語舎(旧たんたん)の即売会でようやく手にすることが出来た(第901夜参照)。それで一応満足はしており、あとは評価の高い手絡模様の梅吉を望んでいるが、それは今だに見かけない。今回の梅吉は黒頭ではあるが、面描と鬢の描法に惹かれて入手に至った。口絵写真はその表情である。

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第365夜:正吾さんの武寛写し(小)&菊宏作

Syogo_takehiro_syo_kaoここ数日、心臓の具合が良く無く血圧を計ったら、最低血圧が100を大きく超えておりギョッとした。かかりつけの病院に連絡したら、診察は早くても24日の午後との事。それまでは家で安静に過ごさなければ…。さて、今夜は昨夜の続きで正吾さんの武寛写しの小の方の紹介である。「原」の武寛こけしの大小2本は同時に作られたものと思われ、ほぼ同じような作行きではあるが、面描には多少違いも見られ、そこが見所でもある。さて、この2本の写しが届いたのは6/9、その数日後の12日に、何と武寛写しと思われるこけしがヤフオクに出品された。志田菊宏さんの作で軽部留治型となっている。しかも胴底には署名と共に「令和元年」と書かれている。どういう経緯でそのこけしが作られ、そしてヤフオクに出品されたかは定かではないが、5月から遅くとも6月頭の間に作られたもので、その時期は正吾さんと同時期と言える。こけし界の「縁」の話はよく耳にするが、またまた驚かされ比較のために、菊宏作も入手した。口絵写真は、正吾作の武寛写し(小)の表情である。大滝武寛の鶴岡こけしの話をしていたら、昨18日の夜、鶴岡市で震度6弱を記録する大きな地震が発生した。人命にかかわる被害が無かったのは良かったが、被災された方々にお見舞い申し上げる。

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第364夜:正吾さんの武寛写し(大)

Syogo_takehiro_dai_kao 先日、高橋正吾さんから、大滝武寛写しのこけしが届いた。先月(5/12)弥治郎で開催された友の会のこけし談話会の帰りに鳴子に寄った折に頼んだもので、一か月足らずで作ってくれたことになる。何とも面倒な写しの作成であり、いつもながら正吾さんには感謝である。「原」こけしは第347夜で紹介した大滝武寛のこけし2本。武寛は木地を鳴子の「高亀」に頼んで、それに描彩してこけしを作っており、その関係から正吾さんは武寛のこけしも作っている。口絵写真は写し2本の内、大きい方のこけしの表情である。

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第362夜:二側目の鳴子こけし(斉司)

Seishi_senzen_kao 6月に入っても暑い日が続いていたが、関東地方は昨日梅雨入りの宣言があり、一転して肌寒い天候となった。さて、今夜紹介するのは楽語舎で見つけた鳴子のこけしである。ちょっと不思議な感じのするこけしだったので入手した。描彩(特に頭部)の特徴から岡崎系のこけしと思ったが、胴底には鉛筆で「鳴子 岡崎斉司」と書かれている。本人の署名ではなく入手者が記入したものであろう。岡崎斉司のこけしは変化が少なく、特に戦後の作は安定していてよく見かけるもので、それらと比べると斉司としても戦前の作ではないかと思われる。口絵写真はその表情である。

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第359夜:こけし談話会旅行(R1.5月 弥治郎)2日目

201905naruko_syogo_fumei_kao 今回の談話会旅行の2日目、他のメンバーの多くは弥治郎や遠刈田に向かったが、国恵は今年最初の鳴子参りに出掛けた。先ずは、鳴子でも最長老の一人となった大沼秀雄さんに挨拶し、秀顯さんの車で正吾さん宅へ。秀雄さんはこけし作りを止めてしまったが、同学年の正吾さんはまだまだこけし作りに励んでいる。嬉しい事だ。持参した正吾さんの昭和20年代のこけしを見ながら昔話を伺う。正吾さん宅を辞して上野々からの坂道を下って上鳴子の松田工房に向かう。日曜日の昼過ぎであるが街の中心街にも観光客の姿は見当たらない。昨年の紅葉時に来た時には鳴子駅から溢れんばかりに中国人の観光客が居たのだが…。平時の観光客の誘致は難しいらしい。松田工房で大弘さんと対面。近作の話を伺った後、工房を案内してもらい、持参した庸吉、民之助を見てもらい、幸八系列のこけしの話に花が咲く。こけし製作の依頼をして、久し振りに鳴子峡に向かう。半世紀以上も前に最初に訪れて以来、度々散策した川沿いの遊歩道は落石の危険から今は通れなくなっていた。口絵写真は正吾作、深澤コレクションの作者不明こけしの表情である。

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第358夜:こけし談話会旅行(R1.5月 弥治郎)

201905danwa_gunzo_1 令和元年第1回目のこけし談話会は新装なった弥治郎こけし村センターホールにて、5月11日(土)に開催された。東京こけし友の会の公式行事である「こけし談話会」は年4回開催されているが、内1回はこけし産地で開催されるようになって今年で3回目を迎えた。会員持ち寄りの貴重な古品を多くの工人に見て頂き、こけしに関する造詣を深めるとともに会員と工人の懇親を深めるのが目的である。今回集まって頂いた工人は、小倉勝志、佐藤英雄(懇親会のみ)、新山実、星定良、新山吉紀、新山真由美、鎌田孝志、高田稔雄の各工人と現在修業中の見習い工人2名であった。また仙台の高橋五郎さんにも参加頂いた。参加した会員は16人に及び、総勢30人余りの賑やかな談話会となった。談話会の後は同じ会場での懇親会となり、弥治郎の工人さんが用意してくれた猪肉を含めた豪華な料理とお酒に大いに盛り上がった。弥治郎の工人さんに感謝です! 口絵写真は弥治郎系古品の表情である。

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第352夜:西山勝次のこけし

Katuji_s16_kao 長い間こけしのコレクションをしている中で縁遠いこけしもある。国恵にとっては西山勝次のこけしもそんなこけしの一つであった。勝次のこけしは古品市場でもしばしば出会ったが、出来栄えと保存状態がなかなかマッチせず入手に至らなかったのである。先日ヤフオクに出た勝次のこけしは陸奥売店の印があり、保存状態も上々、勝次としては特に古いものではないが標準的な出来映えであり、軽い気持ちで入札に参加したところ国恵志堂のコレクションに加わることになった。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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第350夜:小椋久太郎のミニチュアこけし

Kyutaro_s12syo_kao 昨夜までの「周辺のこけし」達と一緒にヤフオクに出品されていた小椋久太郎のこけし。他の出品と同様、この久太郎も大小2本のセットとして出ていた。特に小寸の方のこけしが気になって入手したもの。久太郎のこけしは大寸は梅鉢模様が多く、小寸には菊模様が多く、大寸と小寸で作り分けていたように思っていたが、今回のものは小寸にも拘わらずしっかりと梅鉢模様が描かれている。またその表情にも惹かれた。口絵写真は小寸久太郎の表情である。

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