昨夜終了したヤフオクで、野矢俊文さんの6寸こけしが何と19万円で落札された。次点とは千円差、他に4万円台の入札者が2名。ヤフオクとも長い付き合いであるが、「超」が付く驚きであった。出品者の「ひやね」さんには嬉しい誤算かも知れないが…。さて、先日こけし屋のAさんから、こけし紹介の話が来た。中に戦前の奥山喜代治があるというので、見せて貰うことにした。これまで喜代治のこけしには縁が薄く、戦後の余り状態の良くないこけしを数本持っているだけであった。それだけに戦前の作には食指が動いた。会って見せて貰うと、保存状態も上々のなかなかの良品であり、譲って貰うことにした。今夜はその喜代治のこけしを紹介しよう。口絵写真は表情である。
先週末に昭和の巨星が2つ相次いで亡くなった。落語家の三遊亭円楽さんは昭和25年の早生まれで筆者とは一か月違いの同い年、プロレスの猪木さんは同じ難病を宣告された同病者でもある。とても他人事とは思えないお二人のご冥福をお祈りしたい。さて、国恵志堂が重点的に蒐集を行っている鳴子系こけしの中でも、大沼誓一家のこけしは特に力を入れているものの一つである。その大沼力さんの大正期の誓型に関しては第550夜で紹介した。大正期の誓こけしは結構良く知られており、中に十日月目のこけしもあり、保存は良くないが国恵志堂コレクションにも1本入っている。その十日月目の力こけしが一か月程前にヤフオクに出品された。珍しいこけしであったが人気は無いようで、出品価での落札となった。今夜はそのこけしを紹介したい。口絵写真はその表情である。
2週間ほど前になるが、ヤフオクに表情の良い土湯系こけしが出品されていた。その形体と描彩から、虎吉か二代目虎吉の作ではないかと思ったが、胴底に署名は無く、工人を連想させる記載もなかった。気になったのは、胴中央に大きく描かれたアヤメの模様。そこで、Kokeshi wiwkiの虎吉の項を見てみると、昭和16年の作として数本のアヤメ模様のこけしが載っていた。しかしそれらのこけしはいずれも潰し目で胴底には「佐久間虎吉/岩代川俣」のゴム印があると言う。また、アヤメの形状もやや異なるようだ。結局、工人名は特定できないままに入手することとなった。その後、工人も判明したので報告しよう。口絵写真は、その表情である。
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