さて、今夜も友の会のおみやげこけしの話である。長いことおみやげこけしの頒布をやっていると、同じ工人のこけしが何回もおみやげこけしになることもある。3.5寸から4寸の大きさに限定され価格も程々で、しかも100本近い量があるために敬遠される工人も少なくないようだ。とは言え、頒布は毎月と言うことで頒布担当の苦労は並大抵ではない。場合によっては例会に間に合わないようなこともあり、そういう時に急遽お願いすることもある。そうしてお願いしながら頒布した結果、昭和57年1月から令和2年2月までで、最多の頒布は蔵王系の田中恵治さんで6回であった。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は、恵治さんの最初のおみやげこけしである。
緊急事態宣言の期間中(5/6まで)は、毎日本ブログの更新を続けようと勇んでいたが、早くも題材に事欠くことになってしまった。そこで少し視点を変えてみることにした。今夜の口絵写真は宅急便の箱が1つだけ。さて、中には何が入っているでしょうか? こけしを集めていて、その保存で苦労することは多々ある。最たるものは保存場所であろう。専用のこけし部屋はコレクターの憧れであるが実現はなかなか難しい。本棚のような棚に並べて飾るくらいが良いとこで、残るものは段ボール箱などに入れて押し入れに仕舞ったり、場所がなければ部屋の片隅に積まれていたりする。しかし、一旦箱詰めするとそのまま長期間置かれることも多く、それが取り返しのつかない事態になってしまう恐れも多い。今夜はそんな話である。
昨23日(日)は東京こけし友の会の2月例会があった。新型コロナウィルスの影響で多くの人が集まる会合は自粛されることも多く、友の会の例会も心配されたが、会場に大型換気装置を導入し、受付には洗浄用のアルコールも配備して開会された。海外や沖縄という遠方から来られた方もあり最終的には58名の参加者があり、この時期としては盛況の中で会を終える事が出来た。また、直ぐ近くの天理ギャラリーで現在開催されている「こけしⅡ 遠刈田と土湯・中ノ沢」展の紹介に学芸員の方の挨拶があった。例会ギャラリーは目黒幹事の土湯系篠木工人のこけしの話。新品頒布は6工人。今回は「特別頒布」として大沼秀顯工人の岩太郎写し(初作)20点が頒布され、大好評の内に早々に完売となった。抽選こけしは無かったが、入札こけしには面白いものも多かった。第二部では、秋田県こけし展やWAZA2020の紹介、また会員の中山平訪問記(上野工人)など興味をそそる話があった。最後に、大物こけしをジャンケンで配布して閉会となった。口絵写真は、筆者が受け取ったおみやげこけし。
昨年5月に鳴子を訪問した際、松田大弘さんには2本の古作(庸吉、初見・民之助合作)の写しをお願いしていた。その後、戦前の民之助を入手したことから、合作の写しは取り止めとなっていた。25日に人形の家で大弘さんに会った時に、合作の写しを作って友の会の新年例会用に送ったという話を聞き、例会で見るのを楽しみにしていた。26日の例会当日、大弘さんの頒布品は、初見写し、庸吉型のほかに、この合作写しが10本並んでいた。大弘さんが頑張って作ったというだけあって、なかなかの出来栄え。「原」を持っているのにその写しを持っていないというのでは話にならず、これは何とかして入手しなければと思った。新年例会での頒布品の販売は抽選制で最初は1本のみ選べる。進矢さんや春未さんなど人気工人の作品もあったためか、抽選順は早くなかったが、合作写しでは2番手くらいで何とか入手することができた。今回はそのこけしを紹介したい。口絵写真はその表情である。
26日(日)には東京こけし友の会の令和2年新年例会が開催された。雪も有りかという事前の天気予報も良い方に変わり、72名の会員が参加された。新年恒例の招待工人には桜井尚道、松田大弘という鳴子の将来を担うであろうフレッシュ・コンビに来て頂いた。おみやげこけしは土湯系の陳野原幸紀さんと弥治郎の新山吉紀さん。新品頒布こけしには、お目当ての阿部進矢さんの木地玩具を含む各種作品を始め、招待工人の作品も含めて11工人の力作が並んだ。中古こけしの頒布は無かったが、入札こけしには戦前作を含む15点の作品があった。また、例会皆勤出席者(15名)には高田稔雄工人の記念こけしが贈呈された。例会終了後の「招待工人を囲む懇親会」には約30名の方々が集まり、2工人を囲んで大いに盛り上がった。口絵写真は筆者が受け取ったおみやげこけし。正月のおみやげこけしは4寸なのだが、吉紀さんのは3.5寸であったため、独楽(名前入り)を付けて貰ったそうだ。
昨9日、令和元年最後の東京こけし友の会の例会があった。このところの寒さも少し和らいだ好天の中、54名の方々が参集された。12月は新品の頒布はなかったが、今年頒布されたこけしの数々が並び、買い漏れた方々には嬉しい頒布であった、また、「たつみ」で頒布された優品の蔵出しこけしが3種出品され、橋本正明相談役、鈴木副会長の詳細な解説もあって大好評であった。吉田元会長による黒くなったこけしに纏わる楽しい話、古品を含む入札や抽選と中古品の頒布も盛況であった。第二部は、目黒幹事によるみちのくこけしまつりの審査報告があり、その後出席者が3グループに分かれての懇談会に移り、例会活性化のための貴重な提言などがあった。最後に今年最後のジャンケン大会で大寸こけしを贈呈して散会となった。口絵写真は筆者が受け取った小松里佳工人のおみやげこけしで、異常に長い頭がなかなか面白い。
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