小寸こけし

第220夜:打ち出の小槌(2)

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こけし千夜一夜物語(1)の第220夜で、阿部正義さんの打ち出の小槌を紹介した。その時の小槌は玩友からの借り物であった。先月の友の会の入札に同様の小槌が出品され、ようやく手元に置く事が出来る様になった。丁度220夜が近づいていたこともあり、同じ220夜で紹介することにした。師匠の小林清次郎さんが木地細工物を得意にしていた影響か息子の清さん、弟子の阿部正義さんとも極小木地玩具を超絶技術で製作する。このような技術もしっかりと後世に引き継がれて欲しいものである。口絵写真は、その小槌の頭に付いているダルマである。

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第213夜:こんなところに伊太郎が…

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第二次こけしブームの頃にこけしを集めていた収集家の方々が高齢になって亡くなったり、こけしの整理を始めたりして、ヤフオクに纏まった本数のこけしが出てくるようになった。先だっても、3寸ほどのこけしが5本纏めて出品されていた。その内の4本はブーム時の見慣れたこけしであったが真ん中の1本はかなり古いものであり、どうやら津軽系の伊太郎のもののようであった。普通に考えたらあり得ないような組み合わせの出品であったが、伊太郎を入手するチャンスでもあり、入札に参加した。今夜はそのこけしを紹介したい。口絵写真はその伊太郎こけしの表情である。

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第170夜:盛の入れ子こけし(戦後)

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1本のこけし(親)の中に、子、孫など幾つかのこけしを入れたものを入れ子こけしと言い、国恵志堂の収集アイテムの1つになっている。ところで、その入れ子こけし、よく考えてみると戦前の作はあまり見かけない。遠刈田系では、こけしではないが、達磨や七福神、そして弁慶など入れ子の技術を使った木地玩具は戦前からかなり作られている。一方、胴が太く、入れ子には適した形態の鳴子系では、こけしはもちろん、達磨や七福神も入れ子のものは記憶にない。これは一体、どういうことなのであろうか。そんな戦前の鳴子の木地製品の中で、入れ子が確認できるのは唯一、高橋盛の秋田時代の入れ子こけしである。これについては、千夜一夜(1)の第134夜で紹介した。それは、盛が鳴子を離れて秋田に移り、周囲の影響を受けずに自由に木地製品を作れる環境にあったことが大きいと考えている。ところで、3月の友の会例会に出掛けてみると、入札品に盛の黒いこけしが出ていた。相当保存状態が悪いこけしであったが、その表情から戦後20年代のこけしと思われた。問題は、それが入れ子のこけしであったことである。しかも、親から玄孫まで5本の入れ子であった。今夜は、その入れ子のこけしを紹介しよう。口絵写真は子こけしの表情である。

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第164夜:秋山家の小寸2本

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ヤフオクに鳴子の秋山家の小寸こけしが2本出ていた。戦前の秋山慶一郎と耕作と思われるこけしで、いずれも面白い出来だったので入手した。秋山耕作は明治14年の生まれで、忠、慶一郎は弟にあたる。秋山一家は明治31年に鳴子に移り、それから木地業に従事するようになった。耕作のこけしは昭和14年から3年間に妻とらよとの合作で作られたものが知られている。慶一郎はその頃は既に鶴岡に移っていたが、この2本のこけしが一緒に出て来たことから、慶一郎のこけしは鳴子の秋山商店でも売られたのかも知れない。口絵写真は慶一郎こけしの表情である。

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第162夜:正吾のこけし細工物(2)

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さて、正吾さんはいつからこのような細工物を作り始めたのだろうか。正吾さんが修業した「高亀」は厳格な木地屋であり、武蔵や武男の作品を眺めても入れ子のような細工物は見当たらない。もちろん、臼と杵や甕と柄杓、野菜籠のような木地玩具類は「高亀」の製品として作られていた。正吾さんもそのような木地玩具と伝来のこけしを作っていた。同年代の福寿や昭二が新型(創作)こけしに熱中したり、昭和30年代からは古品の復元が盛んになっても、正吾さんはひたすら武蔵の戦後作を引き継いだ作を作り続け、それは昭和42年頃にピークに達する。しかし、その後は第二次こけしブームの中で壁に突き当り、低調な作に陥ってしまう。そこから復活するのは、昭和55年に「備後屋」で開催された「こけし古作と写し展」に出品した武蔵古作の復元作であった。これを契機に正吾さんは武蔵の各種古作に挑戦して目を見張るような作品を再現していった。それが一段落した頃、高橋五郎氏の提唱で開催されたのが「新しい伝統こけし展」である。ここでの新しい試みとして、正吾さんは傘こけしや髷こけし、二側目のこけしに挑戦し、そういった活動の中から細工こけしも生まれていった。今夜は昨夜紹介したペアこけしの内、傘こけしを詳しく紹介しよう。口絵写真は傘こけしの表情である。

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第161夜:正吾のこけし細工物(1)

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国恵志堂はこけしの細工物が好きである。こけしに関する細工物という点では、入れ子こけしと刳り貫いた中に小物を入れたえじこが双璧であろう。このようの細工物を作る現行の工人としては鳴子の高橋正吾さんは最右翼と言って良いであろう。精巧な細工物を作るには優れた木地技術が必要であり、小さい時から老舗「高亀」で鍛えられた正吾さんならではの多彩な作品が知られている。今回紹介するのは傘と髷の2体の細工こけしで、その中に小こけしやえじこ、だるま等の小物が入っている。今夜は、その内の髷こけしを紹介しよう。口絵写真は髷こけしの表情である。

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第136夜:入れ子こけし(小林清)

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昨夜は、小林清次郎さんの入れ子(孫持ち)こけしを紹介したが、今夜はその息子の清さんの入れ子こけしである。清さんはその控え目な性格もあってか、昭和の名工清次郎さんの陰に隠れてあまり目立たない存在であった。しかし、その木地技術は、千夜一夜(1)第272夜で紹介したように、清次郎さんを凌ぐほどの力量を持っている。清次郎さん、会田栄治さんという山形県の巨頭が相次いで亡くなり、清さんも山形系のトップとしての働きが期待されている。口絵写真は、清さんの入れ子こけしの表情である。

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第135夜:入れ子こけし(小林清次郎)

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こけし工人とは、こけしを作る人のことを言うが、元々は木を材料にしてロクロを使って加工し、種々の木地製品を作る木地師と言われる人々が、余技としてこけしを作ったことに始まる。昭和になって、木地製品の中でもこけしの比重が高くなっても、戦前に生まれた工人は概ね木地技術に長けており、その技をこけしの細工物などに発揮してきた。小林清次郎さんもそんな一人で、入れ子など応用している。千夜一夜(1)の第271夜で紹介した入れ子もその一つである。今夜は、その清次郎さんの孫持ちを紹介しよう。口絵写真は、孫持ちこけしの表情である。

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第132夜:周助地蔵型の比較

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10月の友の会例会には、最近精力的に周助型の復元に取り組んでいる吉野誠二さんの周助地蔵型が出ていた。戦前の秀作こけしは、その系列の工人により復元作が作られ、それらを比較してみるのもコレクションの楽しみの一つである。その矢先にヤフオクで、佐藤きくさんの同型のこけしが出品され、手に入れることが出来た。これで、昭一、きく、誠二と3本の地蔵型が揃ったので、今夜は、これらを比べてみたいと思う。口絵写真は、吉野さんの地蔵型の表情である。

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第126夜:Kawaiiこけし展(人形の家)

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昨12日の午後、横浜人形の家で開催されている「Kawaiiこけし展」を見て来たので、その報告である。人形の家は入館料が大人400円であり、この展示会は別途200円がかかるため都合600円が必要となる(65歳以上のシニアは50円の割引あり)。平日であり、別途200円がかかるためか、残念なことに入館者の多くはこの会場の前を素通りしていた。人形の家は駐車場もあって大型の観光バスが何台も駐車でき、相応の入場者もあると思われるが、追加料金のために、そういう方々にせっかくのこけしの展示を見て貰えないのは何とも残念なことである。そのため静かな会場でゆっくり展示を見ることは出来たが…。内容は、「Kawaii(可愛い)」という第三次こけしブームのキーワードを冠した展示会であり、そのテーマに沿ったこけしが展示されていた。

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