国恵志堂特注

第368夜:盛のもんぺこけし

Sakari_monpe_kaoヤフオクで高橋盛のもんぺこけしを入手した。ぜひとも手に入れたかったこけしの一本であった。戦前のこけしに「もんぺこけし」と呼ばれるものがある。弥治郎系の蔦作蔵や秋保の菅原庄七のこけしが有名である。胸部が膨らみ、そこからやや括れて腰部でまた膨らみ、裾部が窄まって最下部が台状に広がった形である。描彩はもんぺを履いた模様である。頭には髷を付けたものが多い。これに対して、今夜のこけしは形態は正にもんぺこけしであるが、頭に髷は無く、胴の描彩ももんぺ模様ではない。もんぺは太平洋戦争中は女性の標準服として全国に広まったが、元々は農山村の作業着であったようだ。東北地方では広く使われていたようで、そんなところからもんぺこけしも生まれたのであろう。口絵写真は盛もんぺこけしの表情である。

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第366夜:戦後の黒田ウメノと正司さんの写し

Umeno_s44_kao 現在自宅で安静中なので、滞っていた本ブログの更新を進めておこう。懇意にしている米沢の長谷川正司さんは昨年後半から体調を崩し、この冬シーズンはこけしを作っていなかった。その正司さんから電話があり6/9にこけしが送られてきた。今年の1月に訪問した折に預けて来た黒田ウメノのこけしの写しである。早速電話をすると、暖かくなって体調も良くなりこけしも作り始めたとのこと。声にも張りがあり元気さが伝わってきた。鳴子のこけし祭りコンクールにも出品したいと話していた。山形系は後継者難が深刻で、現在作っているのは小林清さんと長谷川正司さんくらい。先ずは喜ばしいことである。口絵写真は、黒田ウメノの表情である。

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第357夜:秀顯さんの竹雄写し(これより令和)

Hideaki_takeo13_kao平成の世が終わり、今日から「令和」の時代が始まった。日が変わった時には雨が降っていたが、午前9時の現在、ここ横浜では天気予報に反して改元を祝うように太陽が顔を出している。さて平成最後のこけしとして大沼秀顯さんのこけしを紹介しよう。秀顯さんの祖父大沼竹雄のこけしは戦前の昭和10年代前半頃には鳴子の街中では数多く見られたこけしだと言う。しかし、そのこけしが現在ヤフオクを初め中古市場でも目にすることは驚くほど少ない。第一次こけしブームのピークといわれる昭和15年の初めには亡くなってしまったことが大きな原因かも知れない。国恵はそんな竹雄のこけしが好きであり出来るだけ入手すべく努めてきた。今回のこけしは楷書体時代の昭和13年頃の作と思われるが嬉しいことに前面の色彩が良く残っている。このこけしを秀顯さんに預けて写しの制作をお願いしたのは2年程前になる。ようやく出来上がって送られてきたので紹介しようと思う。口絵写真は、その竹雄写しの表情である。

 

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第325夜:今年最後の鳴子詣で

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昨27日、今年最後の鳴子詣でを日帰りで行ってきた。大沼秀則さんに頼んでいた大正期誓写しこけしの確認と高橋正吾、大沼秀雄の両長老工人への年末の挨拶のためである。古川辺りまでは陽も差して好天であったが、陸羽東線に乗り換えて鳴子に近づくにつれて雲が多くなり、鳴子に着いた時には小雪が舞う程になっていた。10月に訪れた時には紅葉見物に来ていた中国人観光客で一杯だった鳴子温泉駅も元の静けさを取り戻していた。秀雄さんは病院に行ったとのことで不在、その分正吾さん宅で長居をしてしまった。降り出した雪は一段と激しくなり、正吾さん宅を辞す時には上野々のスキー場は白銀の世界に変っていた。口絵写真は秀則さんが作ってくれた大正期誓写しの表情である。

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第290夜:正吾さんの慶一郎写し(続き)

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昨夜は9寸5分の慶一郎写しを紹介したが、今夜はその他の3本を紹介しよう。原こけしは8寸、6寸、4寸5分で昭和15,6年の作と思われるもの。面描の筆致が細く、目が上がってきてねっとりとした如何にも慶一郎という雰囲気のこけしである。同じ慶一郎のこけしでも昨夜のものとは描彩にかなり変化があり、この辺りの違いをどう再現してくれるかが見所でもある。口絵写真は8寸写しの表情である。

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第289夜:正吾さんの慶一郎写し(友人追悼)

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燃えるような酷暑で迎えた8月、とんでもない事が起こった。退職後も毎月会って懇親を深めていた会社時代からの同僚の家で火災が発生し、家は全焼し彼とその義理の母が亡くなってしまったのである。その前日も深夜までメールのやりとりをしていたのに・・・である。ニュースで聞くような事がいとも近しいところで起こったことに言葉もなく無力感が広がる。友のご冥福をお祈りしたい。さて、高橋正吾さんにお願いしていた秋山慶一郎の写しが届いたので紹介しようと思う。尺、8寸、6寸、4寸5分の4本をお願いしたが、今夜は尺の写しである。口絵写真はその表情である。

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第271夜:「是伸頒布会」第6回裏話

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第6回頒布こけしは、橘頒布期の定寸こけしを「原」としてその写しを是伸さんに作って貰った。その「原」こけしとしては当初、橘旧蔵のこけし(「こけし談叢」掲載の8寸7分)を考えていたが、それは保存状態がかなり悪く、描彩もはっきりしていなかった。そんな折、たまたま「愛玩鼓楽」掲載の盛こけし(7寸8分)を入手する機会があり、このこけしは橘頒布の鈴木鼓堂旧蔵品であることから、こちらを「原」として作ってもらうことにした。口絵写真は、そうして出来上がった頒布品の表情である。

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第270夜:「是伸頒布会」第5回裏話

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柿澤是伸さんから「是伸頒布会」の第5回、6回の作品が送られてきた。今回の頒布に関しては、一昨年(平成28年)の3月に是伸さんが「宮城の観光と物産展」出展で千葉そごうに来られた折に話をしたものであった。しかし同年6月に是隆さんが急逝され、頒布品の製作も遅れることになった。昨年7月に是伸さんから試作品が出来たとの連絡があり、それから電話とメールでのやり取りで修正箇所などを連絡し、今年3月の千葉そごうで作品を確認した。ここで最終的な細かい点の確認を行い、今回の頒布となった次第である。口絵写真は、第5回頒布の4寸たちこの表情である。

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第268夜:保裕さんの広喜写し

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昨日から5月に入り平成もあと1年を割ってきた。来年の今日はもう平成ではないと思うと感無量である。さて、佐藤保裕さんから広喜こけしの写しが届いたので紹介しよう。平成28年の正月に友の会の例会に来られた時に頼んだもので足掛け3年掛かったことになる。新しいものを作るというのは心づもりもあるであろうし、やはり面倒なことでもあるのであろう。しかし、送られてきた作品は、それだけの期間を要したに足る素晴らしい出来ばえのものであった。口絵写真はその広喜写しの表情である。

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第200夜:弥治郎3家合体こけし誕生

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今年1月の中旬、ヤフオクにこけしの頭と胴2体がバラバラになった状態で出品された。頭は鳴子系のもので、胴体は弥治郎系のもの。いずれも戦前の著名工人のもので、個々のパーツとしての状態はなかなか良い。資料として何かの役に立つかも知れないし、関連の現行工人に修復して貰えるかも知れないと思い入手した。弥治郎の胴2体は繋げられそうなので、先月、下谷こけしまつりに上京した新山吉紀さんに見て貰い、修復をお願いした。そのこけしが本日届いたので紹介したい。口絵写真は、修復こけしの頭となった木村敦さんの表情である。

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