初期作

第656夜:デビュー以前のこけし(高橋美恵子)

Mieko_10sai_kao 前夜取り上げた通さんにちなんで、今夜はその妹の美恵子さんのこけしを取り上げてみたい。最近は新人工人が少なく希少性があるためか、まだ修業中のこけしが販売品として出てくる事も珍しくなくなったようだ。これまでは、師匠や工人会等の承認をもって正式な工人として認められ、こけし界にデビューするという形をとっていたが、そういうしきたりはもはや過去のものとして無くなっていくのだろう。一方、蒐集家の方はデビュー以前のこけしにも関心があり、そういうものが見つかると入手して保管していた。特に修業に入る前の幼い頃に作られたものは稀品扱いとなっている。今夜のこけしは、美恵子さんの10歳の時の作品である。

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第651夜:敏の初期作

Satoshi_syoki_kao 昨夜に引き続き、初期作の話をしよう。今夜は秋保の菅原敏のこけしである。敏は庄七の後継者として、戦後の秋保こけしを支えていた重要工人であった。本作は昨夜の庫治と同時期に入手したもので、大きさも同じ5寸。初期作らしい初々しさを持った2本を並べてみると、ほのぼのとした愛らしさに心が和む。口絵写真は、その表情である。

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第650夜:初期庫治(3)

Kuraji_syoki5_kao 当初は「好きなものは何でも…」といった感じで闇雲に始めたコレクションも、日が経ち数が増えてくると何らかの目標を決めて集めることになる。一概に「こけしのコレクション」と言っても更に細分化された目標をたてることになる。例えば「初期作」という目標をたてたとしよう。これは本の蒐集における「初版本」に該当するものであろう。この「初期作」であるが、本と違って一本一本手作りされるこけしでは全く同じものはあり得ず、1本入手したからそれで終了ということにはならない。まして、初期作の期間がある程度長い場合には、その間に作風の変化も考えられ尚更である。すなわち、目標の中身を向上させるという作業も必要になってくるのである。今夜は「初期庫治」について考えてみよう。

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第647夜:長谷川清一のこけし(初期)

Seichih_kao 長谷川清一のこけしがあるとの紹介を受けて見に行ってきた。鳴子系が好きな筆者ということで声をかけられたようだ。小松五平や高瀬善治などの外鳴子系も好きでそれなりに集めていたが、長谷川清一は良品に出会うこともなく、第127夜の1本を有するのみであった。そのため、あまり期待もせずに行ってみた。7寸程の清一のこけしは古色が付いているが退色はなく新品のような状態で当初は古いものと感じられなかった。しかし、じっくり見てみるとその素晴らしさがジワジワと湧き上がってきて思わず魅せられてしまったのである。口絵写真はその表情である。

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第639夜:昭二の初期作2

Syoji_16sai_kao 活動の大半が戦後である鳴子の桜井昭二は戦前作が残っている稀な工人でもある。14歳頃から木地挽き・描彩を始め、当初は父万之丞を模したこけしであった。戦後は伯父大沼岩蔵の弟子となり、岩蔵こけしを継承して鳴子の中心的な工人として活躍したことは周知の通りである。戦前の万之丞型は、眼点の大きな愛らしいこけしであり、kokeshi wikiにもその手の作例が載っており、同手の筆者蔵は第494夜で紹介している。ところで、先日ヤフオクに出た16才との記載がある昭二のこけしは面描の雰囲気が異なるものであり気になって入手した。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

 

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第636夜:高瀬善治のこけし(初期2)

Tzenji_shirodo_kao 高瀬善治のこけしについては、千夜一夜1の第757夜828夜にて、また千夜一夜2の第127夜で紹介している。特に828夜ではその初期こけしについて触れている。筆者は善治のこけしが好きなので機会があれば集めているが、今回のこけしは保存が良い上に幾つか気になる点が見受けられたので入手した次第である。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真は表情である。

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第635夜:我妻勉のこけし

Tutomu_jyunosuke_kao 先日ヤフオクに出ていたこけしである。一見して佐藤重之助のこけしと思ったがタイトルには「我妻勉(肘折時代)」とある。キリッとした表情に惹かれてそのページを開いて掲載された写真を見てみると、重之助こけしに酷似しているが表情の雰囲気が確かに異なる。珍しいこけしなので注視してるとかなりの人気があり価格もうなぎ上りに上昇して行った。最後は二人のマッチレースとなり何とか入手できたものの相当の高額になってしまった。今夜はそのこけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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第634夜:佐藤照雄の初期こけし

Teruo_s13_kao 長い事こけしの蒐集を続けていると、特に力を入れて集めるものが出てくるものである。筆者で言えば勘治型や栄治郎型、太治郎型などがその最たるものである。遠刈田系では直治型をよく集めたが、一筆目の静助型も気になるこけしであった。その創始者である佐藤静助は大正時代から木地挽きを行っていたが、その頃のこけしは発見されていない。昭和13年3月に福島県の曾根田(殿田)で独立開業し、高久田修司氏、深沢要氏の要請によりこけしを作り始めたが、翌14年2月に他界したため残るこけしは少ない。甥の照雄もこの時に一緒にこけしを作り始めたという。今夜は照雄の初期と思われるこけしを紹介しよう。口絵写真はその表情である。

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第633夜:「辞典」のこけし(阿部勝英)

Syoei_shikama8_kao昨1日は日本の二人のスーパースターの活躍に日本中が湧きかえった。大谷翔平と藤井聡太である。特に藤井君は20歳という最年少での名人獲得、7冠制覇を成し遂げ、将棋界に新しい歴史を刻んだのである。
さて、最近、昔のこけしの文献に掲載あるいは縁のあるこけしがネットオークションに出品されるケースが多々見られるようになった。第616、617夜で紹介した陳野原和紀のこけしもそれに充るもので「こけし辞典」に掲載されたものであった。今夜は同じく「辞典」に掲載されている阿部勝英のこけしが出品され運よく入手することが出来たので紹介したい思う。口絵写真はそのこけしの表情である。

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第622夜:弘道の微笑み(誕生4)

Hiromiti_s3309_kao3月中旬に弘道の33年7月作を入手できたと喜んでいたら、それから2週間も経たない内に再び同様の弘道こけしがヤフオクに現れた。出品者は前回とは別の方である。前作とはちょっと違った感じなので、こちらも頑張って入手した。7月作かと思っていたら胴底の署名は9月18日の作とある。弘道初期の変遷の範囲が広がった。口絵写真はその表情である。

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